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亡き妻との当時の想いを叶えるために日産「フェアレディZ Z-L」を購入!2度のオーバーヒートを経験するが今はトラブルフリーでドライブを満喫

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • 日産 フェアレディZ Z-L:納車されたばかりかと見紛う新車のようなコンディション
  • 日産 フェアレディZ Z-L:L20型の直6OHCエンジンはSUツインキャブレターを装備。排気量は1998ccで、最高出力は130ps
  • 日産 フェアレディZ Z-L:ほぼオリジナル状態でノンレストア車であることをプレートでもアピール
  • 日産 フェアレディZ Z-L:モディファイされている初代Zが多いので、純正の状態は逆に新鮮
  • 日産 フェアレディZ Z-L:助手席に吊り下げ式のクーラーを装備しており、快適に走れる
  • 日産 フェアレディZ Z-L:イベント会場である谷保天満宮は交通安全祈願発祥の地としても有名
  • 日産 フェアレディZ Z-L:初代Zは1978年までの8年間で世界販売52万台以上を記録した人気モデル。Z-Lは上級グレードだ
  • 日産 フェアレディZ Z-L:低く、長く、ワイドなスタイリングで数多くのファンを魅了
  • 日産 フェアレディZ Z-L:前期に存在した2.4L/150psエンジン搭載の240Zは世界ラリーなどのモータースポーツシーンでも活躍
  • 日産 フェアレディZ Z-L:若き頃に奥さまと一緒に乗ろうと思っていたフェアレディZ Z-Lを約2年前に購入した“Tさん”
  • 日産 フェアレディZ Z-L:谷保天満宮旧車祭は各会場展示終了後に国立の大学通りを走行コースとした近乗り会を毎回実施

当時の想いを叶えるために購入

1969年に登場した日産「フェアレディZ」は、それまでのオープンスポーツカーだったダットサン「フェアレディ」からGTカーへと変貌を遂げました。ロングノーズショートデッキというスポーツカーの代名詞のようなスタイリングをまとい、当時のクルマ好きを虜に。今回は1974年式「フェアレディZ Z-L」を所有するオーナーを紹介します。

いつのまにかスポーツカーが不要なカーライフに……

「学生時代に70万円ほど貯めてS30型フェアレディZを買おうと思ったのですが、付き合っていた妻とちょうど結婚するタイミングだったので、クルマ趣味ではなく生活を優先させました」

愛車の前でそのように話してくれた“Tさん”(取材時年齢59歳)は、1974年式の日産 フェアレディZ Z-Lを約2年前に手に入れたが、長きにわたってクルマ趣味を楽しむことのない日々を過ごしてきたのだ。

「率直に言うと、自分の中でS30型フェアレディZを買おうという気持ちは消えていました。スーパーカー世代のド真ん中なので、フェラーリなども好きですが、ファミリーカーとして、ホンダ シビック(4代目EF系)、トヨタ ガイア、トヨタ アルファード、ホンダ ステップワゴン、スバル レガシィを乗り継ぎました。その後、初代と2代目のフリードを購入しました。初代は私が足グルマとして使用し、2代目は妻の愛車として活用していました。そのため、私のカーライフのなかではスポーツカーは不要でした」

亡き妻の想いを乗せて走り続ける

その最愛の人が亡くなってしまい“Tさん”の気持ちに変化が現れた。

「妻とは若いころから付き合っていたので、私が学生時代にお金を貯め、憧れていたS30型フェアレディZを買おうとしていたことをもちろん知っていました。いつか乗りたいという気持ちは妻のなかにもあったので、お互いに懐いていた当時の想いを叶えるために購入することにしました」

ノンレストア車で、ほぼオリジナルという稀少なフェアレディZを手に入れたが、奥さまのお顔をイラスト化したステッカーを貼り、一緒にドライブを楽しんでいる。

「名古屋で開催されたイベントに参加できたことが楽しかった思い出ですね。スバルラインでオーバーヒートしてしまいましたが、富士山の五合目まで行くドライブイベントも印象に残っています。これまでにオーバーヒートが2回発生してしまい、ラジエータを交換しました。いまは気楽に乗れるようになったので、ドライブを堪能しています。今後、増車の計画はありません。このクルマは人生の相棒ですね」

“Tさん”にはふたりの子ども(長女と長男)がいる。奥さまが乗っていた2代目フリードは愛息が引き継ぎ、いまでも稼働している。

「子どもはAT免許なので、MT車にも乗れるようにしようかな、と思ってくれているようです。谷保天満宮旧車祭に参加するのは初めてで、インターネットでイベントの概要をチェックしてみたら改造車が少なそうなのでエントリーしました」

緑に囲まれ、静かに楽しめる谷保天満宮旧車祭の会場で、“Tさん”は奥さまのことをたくさん偲べたはずだ。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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