運転席から荷室の楽チン移動できる”ウォークスルーバン”
郵便や宅配業務などのために、クルマから降りずに運転席から荷室へ移動できるようデザインされたのが、ウォークスルーバンです。需要が限られていたことから、国産の軽自動車ではダイハツ「ミラ」、スズキ「アルト」、三菱「ミニカ」の3車種にしか設定されませんでした。今回紹介する“かむかむ”さんは、ミラウォークスルーバンで個性豊かなカスタムを楽しんでいます。
原付バイクを載せるためのトランポとして入手
2024年11月10日に愛媛県四国中央市川之江栄町の商店街駐車場で開催された第13回U-550旧軽自動車ミーティングにダイハツ「ミラウォークスルーバン」で参加していた“かむかむ”さん。原付バイクを楽しんでいたオーナーにとって、それらを載せて運ぶトランスポーター(トランポ)探しが、このミラウォークスルーバンを知るきっかけだった。
「トランポが欲しかったのですが、ありきたりではなく珍しいクルマを探していました。ネットを検索していてその存在を知ったのが、このウォークスルーバンです。年齢的(平成生まれ)にこういうスタイルのクルマの存在さえ知らなかったので、なんだこれ!? というのが最初の印象でした」
ネットで見つけた販売先まで実際に足を運んだ“かむかむ”さん。ミラウォークスルーバンならば、バイクを積んだままクルマのイベントに参加しても面白そうで、普段使いにも問題なさそうと判断して購入した。
“かむかむ”さんの愛車は1989年式だ。約7年前の入手時点でも、すでに30年の時間が経過していたこともあり、ボディはサビが浮いた状態だった。とくにサイドシルは最悪だったそう。5年ほど前にボディの板金修理をしていたが、その後に懸念のサイドシル部分を治すために入庫。その補修が完了したのは、イベント当日の1週間前だった。
マイクロバスのような仕様へとカスタム中
“かむかむ”さんは、ウォークスルーバンにさまざまなカスタムを施している。左側の特徴的な内開きドアを自動化。ステーや稼働システムがセットになった12V仕様を某オークションにて入手。オーディオは観光バス用を装備している。
エアホーンを装備して、そのためにエアコンプレッサーも追加。鳴らすときは、海外のトラックみたいにヒモを引っ張るというもの。さらにハザードのスイッチはワイパーレバーのウォッシャースイッチで操作するように変更し、それに伴いウォッシャー用スイッチは別付け。後退時用のバックブザー、左折時用の警報。そして、内開きドアにも開閉時にメロディアスなBGMが流れるように設定されている。
「じつはマイクロバスに憧れていて。軽自動車ですが、マイクロバスに装備されているようなシステムにしたいなと、試行錯誤しながらカスタムしています」
カスタムの方向性というものは、ユーザーそれぞれの好みがはっきりと表れる部分。希少なミラウォークスルーバンをベースに、マイクロバスの操作系のように仕上げていくという方向性は、個性が強くてとても興味深い内容だった。ぶれることなく、いつまでもそのオリジナリティを追求していってほしい。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)