近未来のコレクターズアイテム? アルファ147GTA
1980-90年代の「ヤングタイマー・クラシック」が、クラシックカー・マーケットの主役の一端を担うようになって久しい。2020年代も中盤を迎えた今では、2000年代初頭に誕生した魅力的なクルマたちも愛好家にとってのコレクターズアイテムとなり始めているようです。とくに電動化ないしはダウンサイジングが進む昨今では、マルチシリンダー+大排気量エンジンを搭載した最後の時代のモデルが、注目を浴びつつあるように感じられます。今回はその時代を代表する1台として、英国の「アイコニックオークショネアーズ」社が、2025年5月1日〜5月8日に開催したオンライン専用オークションに出品させていたアルファ ロメオ「147GTA」をピックアップ。そのモデル解説と、注目のオークション結果をお伝えします。
今や夢となった大排気量+マルチシリンダーのFFホットハッチとは?
2002年11月、先行デビューしていたアルファ ロメオ「156GTA」に続くかたちで登場した147GTAの最大のトピックは、強力な3.2L・V6エンジンが搭載されていることだ。
1960年代以降のアルファ ロメオ技術陣を指揮した伝説の設計者、ジュゼッペ・ブッソ技師の名前から「ブッソ(Busso)V6」あるいは「ブッソーネ(Bussone:偉大なブッソ)V6」とも呼ばれるアルファ ロメオの至宝V6ユニット。もともと「アルファ6(セイ)」の心臓部として、2.5L+キャブレターでスタートした。
156/147GTA用では3.2Lまで排気量アップ。吸排気系および専用ECUなどのチューンが施されたことにより、250ps/6200rpmのパワーと30.6kgm/4800rpmの最大トルクを発生する。250km/hを超える最高速度にくわえて、6秒台半ばで0-100km/h加速をこなすという胸のすくようなパフォーマンス。さらには、魅惑的なレスポンスとエキゾーストサウンドまで両立したことから、今世紀初頭から現在に至るまでエンスージアストたちを狂喜させることになる。
じゃじゃ馬的な走りっぷりを披露する
この名機に組み合わされる変速機はコンヴェンショナルの6速MTのほか、当時としては革新的だった6速シーケンシャル・トランスミッション「セレスピード」の選択も可能だった。このセレスピードは、シフトパドルを介してマニュアルでシーケンシャルに操作できるほか、ATとして走行できる「シティモード」も備えている。
コンパクトな3ドアハッチボディの147に156GTAと同じく250psを発生するV6エンジンを詰め込んだモンスターとなった147GTAは、ハイパワーFFゆえのトルクステアと格闘するじゃじゃ馬的な走りっぷりと、156GTAと同様にワイルドかつ官能美溢れるアピアランス。さらには1960年代のレーシングカーを思わせる、クラシカルなテキスタイルのインテリアも相まって、今世紀初頭のホットハッチとしては特別な「なにか」を持つクルマとして認知されることになったのだ。












































































































































