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亡きチューニングビルダー最後の遺作! 日産3代目C10型「スカイライン」にRB25DETエンジンをスワップ

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • 1971式の日産3代目C10型スカイラインと、オーナーの本山賢さん
  • 日産 3代目 スカイライン:サスペンションはDR30型スカイラインの足まわりを前後ともにフル移植。車高調キットを使わずにダウンサスで程よく下がったベストバランスを追求する
  • 日産 3代目 スカイライン:友人の紹介で福島県浪江町で購入したという
  • 日産 3代目 スカイライン:ハコスカの愛称を持つ3代目スカイライン
  • 日産 3代目 スカイライン:「このハコスカに乗って夫婦で出掛けるのがいつも楽しいです」オーナーの本山賢さんはいう
  • 日産 3代目 スカイライン:見た目はスカイラインGT-Rルックでまとめられている
  • 日産 3代目 スカイライン:ワタナベホイールを装着する
  • 日産 3代目 スカイライン:カーナビ、エアコン、パワーウインド付きの快適仕様だ
  • 日産 3代目 スカイライン:快適空間を生み出すエアコンやナビゲーションを装備
  • 日産 3代目 スカイライン:オーナーの本山賢さんはドライブが大好きなので、シートはレカロベースの張替えモデルをセットしている
  • 日産 3代目 スカイライン:エンジンは日産 R34型 スカイライン用のRB25DETターボにアップデート。タービンなどは純正のままだ
  • 日産 3代目 スカイライン:見た目はハコスカ定番のスカイラインGT-Rルックでまとめられている

30年間所有する貴重なハコスカ

日産のRB25DET型2.5L直6エンジンを搭載した1971年式の日産3代目「スカイライン」。一見するとノーマル風ながら、細部までこだわり抜いた仕様になっています。今は亡きビルダーの手で仕上げられた1台を紹介します。

安心して走るため、エンジンスワップを決断

今や世界を代表する自動車生産国になった日本。1960年〜1970年代の高度成長期には、日本の自動車メーカーが英知を結集し、続々と新たなクルマの開発に没頭していた。そんな時代に誕生した個性的な1台が、ご存知ハコスカこと日産3代目C10型「スカイライン」だ。

山形県鶴岡市在住の本山賢さん(55歳)は「自分が生まれた年に近いクルマに乗りたい」と考え、今から約30年前、友人の紹介で福島県浪江町で1971年式のハコスカに巡り合った。

現車を確認しに行ったときは完全な不動車だったが、ボディの傷みは年式のわりに少なく、直せるレベルだと判断して即決で購入。そこから公道を走れるようにメンテナンス&リペア作業を進め、ナンバーを取得して乗りはじめた。

しかし、ここで問題が発生する。じつはオリジナルのL型エンジンのトラブルが続き、まともに走ってくれなかったのだ。何度か修復作業を繰り返したものの、これまでの悪い経験が頭をよぎり、ドライブを楽しむどころか安心して乗ることすらできない。そこで決意したのが、エンジンスワップだった。

エンジンルームを開けてもらうまでは気づかなかったが、確かに搭載されているエンジンは1984年から2004年までの日産車が搭載していたRB型エンジンに換装されていた。そしてフロントグリルの奥には前置きインタークーラーが綺麗に収められている。

心臓部にRB25DETを選んだ理由

L型エンジンから換装されたパワーユニットは、日産R34型「スカイライン」のRB25DET(NEOストレート6)。RBエンジンにはバリエーションが多く、NA(自然吸気)もターボも選べるが、その最高峰であるスカイラインGT-Rが搭載するRB26DETTは高価で手が出せなかった。そこで本山さんが選んだのが、排気量も近く、安心して速く走れる最終モデルのRB25DETエンジンだ。

エンジンスワップについては自分ではできないため、宮城県のチューニングショップに依頼。ほかにも純正の足まわりでは不安があったため、ショップの勧めでDR30型スカイラインのサスペンションを前後ともにフル移植。車高調キットなどは使わず、純正形状の強化ショックと強化ダウンサスで「大人の落ち着いた仕様」に見えるよう、ほどよい車高をキープしているのがポイントだ。

一見するとノーマルのようだが、わかる人には伝わるバランス重視の仕上がり。この仕様に対して、ワタナベホイールとのマッチングも非常に良い。

亡きビルダーの意思を受け継ぐハコスカ

見た目はハコスカ定番のスカイラインGT-Rルックでまとめられているため、詳しい仕様が伝わりにくいが、やっている内容はかなりマニアック。エンジンがRB25DET、足まわりをDR30型スカイラインにスワップというだけでなく、内装にも注目。快適空間を生み出すエアコンやナビゲーションの装備に加え、パワーウインドウ化まで施されているのだから驚きだ。

これらの素晴らしい提案をしてくれたのが、すべて宮城県のチューニングショップの代表だった。しかし、その代表はもうこの世にはいないという。じつはこのクルマが完成し納車された直後に、東日本大震災が発生。本当に残念なことに命を落としてしまい、奇しくもこのハコスカが代表の最後の遺作となってしまったそうだ。

「だからこそ、今後はこの状態のまま現状を維持し、亡きビルダーの意思を受け継ぐ1台として大切に乗り続けていきたいです」

と、本山さんは話してくれた。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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