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東北660ターボGPで唯一のダイハツL700型「ミラ」! DIYでNAからツインカムターボに載せ替え

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • ダイハツ L700型 ミラ:フロントとサイドのエアロは純正で、リアのみYMRの大型リアスポイラーを装着している
  • ダイハツ L700型 ミラ:リアから見えるロールケージの斜行バーがお気に入り。安全性とカッコよさの一石二鳥だ
  • ダイハツ L700型 ミラ:使い込んだ感が満点のホイールはキッズレーシング。タイヤは定番のポテンザRE-71RS
  • ダイハツ L700型 ミラ:最高出力45psのシングルカムNAから最高出力64psのツインターボに載せ替え。作業はDIYというから凄い
  • ダイハツ L700型 ミラ:バケットシートはレトロなデザインが気に入り、ブリッドのジータ2を装着しているそうだ
  • ダイハツ L700型 ミラ:純正のメーターフードはラメ塗装でアレンジ。ステアリングは操作性に優れるバックスキンを選んだという
  • ダイハツ L700型 ミラ:追加メーターは年式に合わせて昔のトラスト製。中古品がかなり値上がりしているそうだ
  • 小林大翔。デビュー戦は予算の都合もあり手を付けられない部分も多かったけど、今シーズンは少しずつマシンを熟成させていきたいとのことだ
  • ダイハツ L700型 ミラ:典型的なコンパクトなホットハッチ。年式こそ古いが戦闘力はまだまだある

東北660ターボGPにミラ挑む、22歳の挑戦とは

過給器の付いた軽自動車が走れるイベントを作ってほしい──そんな声に応えて2017年にスタートしたのが東北660ターボGPです。チューニングの範囲は東北660選手権よりも広く、ある意味では本当の草レースといえるようなカテゴリー。スズキHA36型「アルトワークス」やホンダ「S660」など新しめの車種が多いなか、唯一のダイハツ「ミラ」で孤軍奮闘する若いドライバーが弱冠22歳の小林大翔です。

軽さとコンパクトさが武器のL700V型ミラ

小林大翔が操るダイハツL700V型「ミラ」は新規格軽自動車になったばかりの1999年式で、元々はシングルカムのNAエンジンを積むグレードだった。その状態では、新規格軽自動車NAモデルの東北660選手権でも勝ち目はなく、ツインカムターボで64psを発揮するEF-DETに換装。その作業のほとんどは自分で行なったとのこと。昨年の最終戦が実質的なデビューとなった。

ちなみに、車検証に記載されるエンジン型式はEFだけなので、NAからターボに載せ替えても公認車検の取得が不要なのも魅力だ。後継のL250型やL275型のミラよりコンパクトなボディは動きがクイックだし、軽さは強力な武器となる。NAとターボの違いこそあれど、東北660選手権では一時代を築いたクルマであり、アフターパーツやセッティングのノウハウも豊富で、戦闘力はまだまだ高い。

現在のところチューニングは吸排気系や足まわりなど、普通のライトチューンで、ブーストアップもしておらず、今シーズンを戦いながら少しずつ進化させたいとのこと。それでも最初から7点式のロールケージを装着するなど、安全面に手を抜いていないクルマ作りは高く評価できる。

ブーストアップでライバルに追いつけるか

足まわりはシュピーゲルのプロスペックライントレースで、スプリングはフロント10kg/リア8kgと一般的なレート。パワー系はマフラーやフロントパイプこそ社外品に交換しているものの、ブーストが0.9kg/㎠と低いため、ストレートで引き離されるシーンも多い。ポテンシャルを発揮するためにもブーストアップを急ぎたいと小林は話す。

小林が参加した3クラスは車両規則でECUの書き換えが認められており、他のクルマはほとんどがブーストアップ仕様という不利な状況だった。L700のEF-DETは純正ECUの書き換えが可能なので、パワーでライバルと肩を並べるのはそう難しくない。

それだけに、デビュー戦はタイムも順位も不本意な結果に終わってしまったが、オフシーズンの間にクルマもドライバーも大きく進化を遂げているはずだ。数少ないダイハツ車である小林の戦いぶりに注目したい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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