カーボンパーツで軽量化と剛性アップを両立
BMWジャパンは、Mモデルの頂点に位置づけられる「BMW M3 CSツーリング」を限定モデルとして発売しました。BMW M3 Competition M xDriveツーリングをベースに、約20psの出力向上と約20kgの軽量化を実現し、0-100km/h加速は3.5秒と、ツーリングモデルとしては驚異的な俊足を披露します。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を多用し、カーボン・バケットシート、専用サスペンションなど初の採用の装備も豊富で、サーキット走行に対応する真のハイパフォーマンスモデルを紹介します。
0-100km/h加速3.5秒の秒殺ツーリングワゴン
BMW M3 CSツーリングは、BMW M3 Competition M xDriveツーリングをベースに約20kgの軽量化と約20psの出力向上を実現。最高出力は550ps、最大トルクは650Nm/2750~5950rpmを発揮し、0-100km/h加速はわずか3.5秒という俊足を誇る(いずれも欧州仕様値)。燃料消費率はWLTCモードで9.6km/Lだ。
ボディサイズは全長4805mm✕全幅1915mm✕全高1445mm、ホイールベースは2855mmで、車両重量は1840kg。駆動方式はxDrive(4輪駆動)、トランスミッションは8速ATだ。ちなみに日本で販売される30台は右ハンドル仕様となっている。
「CS」の名が示すとおり「Competition Sport」の精神を体現し、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)製のボンネット、キドニーグリル、ドアミラーキャップ、リアディフューザーなどを採用して軽量化と高剛性を両立。フロントライトにはイエロー発光のアダプティブLEDヘッドライトを採用し、ブラックとレッドのコントラストによる専用バッジで特別感が強調されている。
インテリアでは、センターマーク付きMアルカンターラステアリングやMカーボンファイバートリム、CFRP製センターコンソール、Mカーボンバケットシートなど、スポーツ走行を意識した装備が標準搭載される。一方では大人3名が快適に座れるリアシートやワゴンとして十分な荷室スペースを確保し、実用性も疎かにしていない。
走行性能面では、エンジンマウントやギアボックスのベアリングを強化。専用サスペンションとスタビライザーを採用している。また、低重心設計、路面追従性、キャンバー強度、ダンパーのレスポンスを向上させるため、14カ所にボールジョイントを配する。さらにレッドハイグロス仕上げの専用Mカーボンセラミックブレーキを装備することで、サーキット走行での極限の安定性と応答性を実現している。
Mモデルのなかでも特別な存在感を放つこのM3 CSツーリングは、単なるハイパフォーマンスワゴンではなく、日常と非日常を自在に行き来できる究極の1台に仕上がっている。価格は2098万円、全国で30台限定の受注生産となるが、残念ながら受注はすでに終了している。

【AMWノミカタ】
BMW M3 CSツーリングは、カーボン素材の戦略的な採用による軽量化、足まわりの精密なチューニング、さらにサーキット走行に必要な冷却・制動性能の強化など、BMW M社の走りに対するこだわりが詰まった完成度の高いモデルである。
価格は標準モデルに比べて約600万円ほど高くなるが、希少性に加え、よりパワフルで軽量、そして日常使用も可能なこのハイパフォーマンスワゴン1台でカーライフの楽しみのすべてを実現できるモデルとして多大な魅力を放っている。
キャラクターはだいぶ異なるが競合モデルはアルピナのB3 GTツーリングや、2Lエンジンにモーターを搭載し、680psを誇る「AMG C63 S Eパフォーマンス」となるだろう。しかしアルピナは完成車の供給を終了し、またC63に搭載されている4気筒PHEVエンジンは段階的に廃止するという噂だ。それを鑑みれば、このセグメントでは定評のある「S58」型3L直6ターボエンジンを搭載したBMWモデルは、ますます存在感を増してゆくのではないだろうか。




























































