ビギナーからカスタマーレーシングチームまで対応するスペック
BMWはサーキット専用のカスタマーレーシングのエントリーモデル「BMW M2 Racing」の購入受付を開始しました。BMW M社が開発したMハイパフォーマンスモデルであり、これからモータースポーツに挑戦するユーザーにとって理想的な1台は、2L直列4気筒Mツインパワー・ターボエンジンと8速ATを搭載。GT3由来のサスペンションやFIA基準の安全装備をはじめ、プロ志向の走りと操作性を両立する専用設計が施されています。
サーキット走行用に開発された正統派レーシングモデル
BMW M2 RacingはBMW M2をベースに、コンパクトな車体と高い走行性能を併せ持ち、実戦投入可能な仕様にチューニングされていることが特徴だ。後輪駆動で、前後重量配分は理想的な50:50。これにより俊敏なハンドリングと卓越したロードホールディング性能を実現し、レースシーンで高い競争力を発揮する。
パワートレインには、2L直列4気筒Mツインパワーターボエンジンを採用。最高出力313ps、最大トルク420Nmを発揮する。組み合わされるトランスミッションはモータースポーツ専用ソフト制御による8速ATで、ドライバーの意図に即応する変速性能を備える。
シャシー面では、BMWモータースポーツ製の溶接式セーフティロールケージを装着し、DMSB(ドイツモータースポーツ連盟)認定、FIAレギュレーションに準拠した設計が施されている。ルーフにはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用して軽量化を図りつつ、ボディの剛性も確保。Makrolon®製リアサイドウィンドウやフロントスプリッター、トランクリッド・クイックリリースロックなども装備し、優れたメンテナンス性と空力性能を実現している。
足まわりには、GT3マシン由来のKW製ショックアブソーバー(非調整式)と、調整式のモータースポーツスタビライザー(前後)を装備。ホイールは10×18インチのアロイ製(マットブラック)で、タイヤはグッドイヤーを装着する。制動系にはBMW M コンパウンドブレーキとモータースポーツ専用パッド、さらに冷却効率を高める専用ブレーキ・エアクーリングシステムを備える。
駆動系には、BMW M2 Racing専用に設計されたドライブシャフトと、個別冷却システムを備える機械式LSD(プリロード型)を標準装備。これにより、左右輪の回転差を最適に制御し、トラクションと安定性を確保する。
快適装備とデータ解析用ポートを標準搭載
ドライバー支援装備としては、10段階調整が可能なMトラクションコントロール、ピットスピードリミッター、レーシング用に最適化されたインストルメントパネルを装備。エアコンも標準装備だ。長時間のレースでも快適性を犠牲にしない点は、エントリーユーザーにとって魅力である。
また、データ解析の面でも充実しており、専用ワイヤリングハーネスとデータロガー用コネクター、最適化されたポートを装備。シビアなレース環境下でも的確な走行データの取得と解析が可能である。
車両価格は2100万円。右ハンドル、AT仕様で、カラーはアルピンホワイトIIIのモノトーン仕様となる。ちなみに同モデルはBMW Mモータースポーツディーラーである東京のモトーレン東都、大阪のエルベオートを通じて販売する。
BMW M社が展開するMモデルには、「Mハイ・パフォーマンス・モデル」と「Mパフォーマンス・モデル」の2系統が存在するが、BMW M2 Racingは前者に分類され、サーキット走行におけるパフォーマンスを最優先に設計された、真のレーシングマシンである。なお、日本国内においては2026年シーズンよりBMW & MINI Racingレースに参戦できるクラスが新設されている。

【AMWノミカタ】
BMWの高性能モデルを手掛けるBMW M社が開発したBMW M2は1985年に登場し、高性能スポーツカーのベンチマークを確立した「初代BMW M3」と、1973年に誕生しそのスポーティで美しいデザインと卓越した運動性能により名を馳せた「BMW 2002ターボ」の伝統を引き継ぐ、もっともコンパクトなBMW Mモデルだ。これまでのM2 CS Racingは3L直列6気筒Mツインパワー・ターボエンジンを搭載していたが、今回の新型モデルは313psの2L直列4気筒Mツインパワー・ターボエンジンに変更される。
最高出力、最大トルクともに先代より抑えられているが、冷却・耐久性・安全性・剛性の全体的なバランスをより進化させ、扱いやすいマシンになっているのではないだろうか。このモデルは年間12戦行われているBMW & MINI Racing の2026シーズンで新クラスとして正式採用された。M2 Racingがこのレースでどのような走りを見せるのか楽しみである。






































