路面からの大きな入力をいなす高剛性ボディ
乗り心地に関しては、このプラットフォームを採用したフィアット500Xも似た傾向にあったのだが、バネ上(ボディ)の細かな揺れの抑えはあまり得意ではない。このため、視線が上下するような動きを伴いがちなのだが、タイヤサイズが、最近のSUVでは珍しいというべきか、真っ当というべきか、215/60R17と見た目よりも実を取ったエアボリュームをしっかり持たせたサイズを採用。そのため、直接的なショックは小さめなのと、路面のアンジュレーションなどによる直進性への影響も小さく抑えられている。
さらに前席のシート座面は、一見平板ながらも優しいストローク感を伴い、車体の揺れても腰や臀部への負担を軽減することに貢献。このあたりは悪路走行を前提としてきたジープならではの知見、経験が活かされているところだろう。

実燃費はWLTCモード燃費超え!最新JEEPは省燃費性能を確保
肝心の燃費だが、全体としては良好ではあった。しかし、走らせ方で結構なバラつきが生じることも確認した。結果からいうと、1度目の給油が走行606kmに対して39.5L、メーター上の平均燃費が16.4km/Lに対して実燃費15.3km/L、2度目の給油が走行415kmで21.0L、メーター上の平均燃費が18.9km/Lに対して実燃費が19.8km/Lであった。
1度目の給油までの606kmは、高速道路が約200kmで、残り約400kmが一般道(一部有料道路区間)ということからすれば妥当な数値。2度目の給油は、高速道路が約175km、残り約240kmが一般道だったということからしても、WLTCモード燃費の17.7km/Lを大きく凌ぐ優秀な数値だ。なお、ジープでもイタリア生産のレネゲードはハイオクガス指定となる。

ジープは、次期型レネゲードを2027年に発売すると公表しているが、現行型はコネクティビティの面や30km/h以上でしか作動しないACC(オート・クルーズ・コントロール)など、装備面では古さを隠せないところはある。ただ、小さなジープとして存在感を保ち続け、そのくせジープらしくない(?)好燃費はしっかりと実現してきている。動力性能面では不満はない代わりにドライブモード選択も持たず、ラフロードや低ミュー路での駆動制御への拘りも薄れているようにも見受けたが、市場の変化とユーザー特性に合わせ、ジープブランドの在り方をフレキシブルに変えていく意思を感じさせた1台である。













































