マルチリンクサスの採用で世界の乗用車のベンチマークに
W124はマルチリンク式リアサスペンションを走行実験車C111から移植するなど技術面でも注目すべきモデルだ。戦前のスウィングアクスルから始まった独立懸架サスペンション開発への挑戦は、このマルチリンクの登場により正にルネッサンスを迎え、世界の乗用車のベンチマークとなった。エンジンは3L直6 OHCから最終的には1990年に登場した500Eの5L V8まで、凄いラインナップを揃え、ハイパフィォーマンスカーへの足掛かりを作ったモデルだ。
W124は自動車業界がアナログからデジタルへと変化する過度期における大切な一歩を見せつける作品である。その総生産台数は約273万7000台になった。
W124をひと言で表現するなら「大人が作った大人のクルマ」でもあるといえる。つまり、「最善か無か」のスローガンを具現化したモデルで、クルマを通じて作り手の自信が明白で、正に匠の作品に触れる重厚さが感じられる。この優れた基礎があってこそ、W124は今日でもある種カリスマ的な人気を維持している500EやAMGまでも展開することが可能だった。
以後のEクラスは周知のとおりなので型式/年代だけを下記の通り明記しておこう。
2代目W210(1995-2002年)
3代目W211(2002-2009年)
4代目W212(2010-2016年)
5代目W213(2016-2023年)
6代目W214(2024年~)
W214は、2023年オンライン上でワールドプレミア。日本では2024年1月、東京オートサロンでセダンとステーションワゴンが同時発表された。キャッチコピーは「Eを覆す、E」で、各広告媒体で展開。とくにW214はEuro NCAP(Euro New Car Assesment Program=欧州新車アセスメントプログラム)から2024年度「ベストパフォーマー」を受賞した(2025年1月22日)。つまり、すべての安全カテゴリーで傑出したスコアを達成したわけである。















































































