ライムグリーンの純正ボディカラーが希少性をさらに高める
今回RMサザビーズ「Monterey 2025」オークションに出品されたカレラ2.7L+MFIは、わずか2モデルイヤーの生産期間中に製造された、631台のタルガのうちの1台である。車両に添付されたメーカー発行のビルド記録によると、1974年1月1日にポルシェのツッフェンハウゼン工場で完成したとされている。
生産台数の少ない1974年モデルのカレラ タルガだが、さらに希少性を高める要素として、エクステリアは工場での生産時に、非常に珍しい「ライムグリーン(N8)」で塗装されていることも挙げられる。
新車時には「ブラウプンクト」社製カーラジオ、ポジションを高めた運転席シート、フォグランプ、ボディサイドのブラックの「Carrera」ロゴ入りストライプ、フロントフードのブラックストライプに「911」ロゴなどのオプションを満載して納車されたようだ。現在ではカーラジオとボンネットのストライプは取り外されつつも、その他の要素についてはオリジナルが保持されている。
1991年にはイタリアへ移送され、彼の地で30年を過ごしたのち、2021年にはローマの南郊にあるポルシェ・スペシャリスト「マロッコ・モータースポーツ」社に依頼し、包括的なレストアが実施された。
レストアの完成後まもなく、著名なドイツ人コレクターに売却されたものの、その所有期間中は極めて控えめに使用された。その結果、このカレラ2.7タルガは現在も極めて良好な状態を保っている。今なおナンバーマッチングエンジンを搭載し続けていることも、この個体の価値を確定する重要なトピックといえる。
生産台数の少ないメカポン時代の価値の高さを証明
RMサザビーズ北米本社は、今回のオークション出品に際して作成した公式カタログにおいて
「内外とも、驚くほど良好な状態を保つこの911カレラ2.7L+MFIは、間違いなくオークションに登場する同型・同年式車のなかでもっとも魅力的な1台であり、目利きのポルシェコレクターにとっても魅力的だ」
と謳った。
この「メカポン」カレラ2.7タルガに対する確たる自信を裏づけるような、25万ドルから30万ドル(邦貨換算約3680万円から4415万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定していた。
そして迎えた8月16日のオークション最終日。対面型競売ではジリジリと入札が進み、最終的にはエスティメートの上限を突破する30万2000ドル(邦貨換算約4450万円)で、競売人のハンマーが鳴らされることになった。
ちなみにここ数年の国際マーケットにおいて、3L+Kジェトロニックとなった1976年以降の911カレラは、比較的高価なものでも15万ドル前後あたりで推移している。それと今回のハンマープライスとを比べると、メカポン時代の911カレラが、いかにポルシェ愛好家の心をつかんでいるかを示す、ひとつの証となっている。


















































































