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英国製V8エンジン搭載のオープン2シータースポーツ!ディムラー「SP250」とともに30年

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)

  • ディムラー SP250で山形県から新潟県まで自走してイベントに参加した
  • ディムラー SP250:アメリカに輸出された個体で左ハンドルだ
  • ディムラー SP250:ディムラーが1959年に突如リリースしたスポーツカーがSP250
  • ディムラー SP250:インパネまわりはシンプルなデザインだが、ダッシュ中央に4連メーターを備える
  • ディムラー SP250:SP250はディムラー初の本格的スポーツカーにして、最後の自社オリジナル設計のクルマとして知られている
  • ディムラー SP250:個性的なデザインのボディはFRP製
  • ディムラー SP250:個性的なデザインのボディはFRP製
  • ディムラー SP250:アルミブロックの2.5L V8エンジンを搭載
  • ディムラー SP250:インパネまわりはシンプルなデザイン
  • ディムラー SP250:アルミブロックの2.5L V8エンジンを搭載
  • ディムラー SP250:SP250が3台参加。奇跡のスリーショットが叶った
  • ディムラー SP250:ディムラー初の本格的スポーツカーにして、最後の自社オリジナル設計のクルマとして知られている
  • 須藤孝明さんとディムラー SP250
  • ディムラー SP250:ディムラー初の本格的スポーツカーにして、最後の自社オリジナル設計のクルマとして知られている
  • ディムラー SP250

超レア英国スポーツカー3台が糸魚川に集結!

新潟県糸魚川市で年3回開催される「フォッサマグナミュージアム・クラシックカーミーティング」は、希少車が集まることで知られる人気イベントです。第20回を迎えた今回は、なんと英国の名門ディムラーが生んだ希少なスポーツカー「SP250」が3台も揃いました。重厚なリムジンで知られるブランドが手がけた異色のV8スポーツを、30年来の愛車として大切に乗り続けるオーナーが登場。長年のクルマ趣味とともに、その魅力を語ります。

英国最古のメーカーがリリースした最初で最後のスポーツカー

天候に恵まれたイベント会場では、フリーマーケットやキッチンカーの出展、地元警察のパトカーや白バイの展示なども行われ、多くのクルマ好きや家族連れで賑わった。なかでも今回のトピックは、ディムラーSP250が3台も揃ったことである。

ディムラーは主に重厚なリムジンを得意とする英国最古のメーカーで、英国王室御用達のブランドとしてもよく知られている。そのような自動車メーカーが1959年に突如リリースしたオープン2シーターのスポーツカーがSP250だ。ディムラーは1960年には経営難からジャガー傘下となり、以降のディムラー車はジャガーのバッジエンジニアリングとなる。そのため、SP250はディムラー初の本格的スポーツカーにして、最後の自社オリジナル設計のクルマとして知られている。

フレーム自体は一般的なラダーフレームであったが、個性的なデザインのボディはFRP製である。エンジンはアルミブロックの2.5L V8、ブレーキは4輪ディスクと、なかなか意欲的な設計であった。

山形から自走で参加したオーナーのクルマ趣味

「1962年式のディムラーSP250です。もともとアメリカに輸出された個体なので左ハンドル。英国系アメリカ人がオーナーだったと聞いています」

と話すのは、山形県から自走で参加した須藤孝明さんである。

須藤さんはこの糸魚川のイベントには、これまでにも何度か参加している。1997年に開催された「第6回日本海クラシックカーレビューin糸魚川」では、コンクールデレガンス受賞の経歴を持つ。

「このSP250とは30年くらいの付き合いです。むかしからクルマもバイクも好きで、初めて手に入れたヒストリックカーは1967年式のローバーP6でした。当時、まだポルシェは所有していなかったのですが、ポルシェのクラブに所属していた関係でサーキット走行会にも行くようになりました。でも自分の持っていたローバーはサーキットではあまり速くない。そこで1971年式のポルシェ911Sも手に入れました。しかし、その911の前に手に入れたのがディムラーSP250です。ローバー以外の英国車、スポーツカーにも興味があったので」

このように、須藤さんは長年にわたり濃い口のクルマ趣味人生を歩んできた。

2654分の3台という奇跡のようなスリーショット

フォッサマグナミュージアム・クラシックカーミーティングの開催に毎回尽力しているのは、糸魚川クラシックカークラブの重鎮、大久保峰生さんである。じつは、大久保さんも古くからのディムラーSP250オーナーでもある。須藤さんとは趣味のクルマを通じた旧知の間柄である。

さらに今回のイベントには、もう1台SP250がエントリーしていた。このイベントに初参加となる愛知県の落合さんだ。落合さんは昨年手に入れたばかりのディムラーSP250で参加している。

前述のように、この日のイベント会場にはSP250がじつに3台も揃った。SP250は1959年から1964年までの5年間にコベントリーのディムラー工場で2654台が生産されたと言われる希少車である。時空を超えて糸魚川で実現した奇跡のようなスリーショット。それは、他のイベントではちょっとお目にかかれない稀有な光景であった。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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