456シリーズ後期の高年式モデルではあったが意外なる評価
エンジンは基本的にはそれまでの456GT、456GTAから変化はなかったが、エンジン・マネージメント・システムの改良や点火順序の変更によって、よりスムースな回転フィーリングが得られるようになった。0→100km/h加速5.2秒(456M GT、GTAは5.5秒)、最高速300km/h(同298km/h)という運動性能が、当時のGTとしては世界の最高水準にあったことは言うまでもない。
出品車の456M GTAは2001年モデルである。フェラーリは456M GTAの生産を2003年で終了しているため、このモデルとしては高年式の部類に入るといってもよい。
現在までの走行距離は3万6400マイル(約5万8240km)。アズーロ・カリフォルニアと呼ばれるブルー系のボディカラーと、オフホワイトのレザーインテリアのマッチングも素晴らしく、かつそのコンディションは良好に保たれている。
さらにオプションのブルーパイピング付きパワーデイトナスタイルシートなどが備わるのも、このモデルの大きなセールスポイントだ。車体のほかに純正マニュアルや工具キット、タイヤ空気圧調節キットが付属していることも見逃せない。
フェラーリの記録によれば、1998年から2003年までの間に生産された456M GTAはわずか650台である。ボナムスはこのモデルに対して5万ドル~6万ドル(約736万円~883万円)というエスティメートを提示したが、実際の落札価格はそれを下まわる4万2560ドル(邦貨換算約626万円)であった。フェラーリの12気筒モデルを手に入れたいと切に願う熱狂的なエンスージアストにとって、はたしてこの数字はどう映るのだろうか。




































































































