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走行距離11万kmの日産初代「シルビア」を購入!オリジナルを重視して復元しつつ適度な改良を施す

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • 日産 シルビア:「FMMは宇都宮ロマンチック村時代から参加しており、自宅からも近く、知り合いも参加しているため定期的に来ています」と伊藤さん
  • 日産 シルビア:ステアリングはオリジナルの木製リム。タコメーターやルームミラーは修復済み。スイッチ類はプッシュプルからオリジナルのタンブラーに交換されている
  • 日産 シルビア:シートは張り替え済み。現在、ドアおよび後席側の内張り、足元サイドを張り替え中である。オリジナル同型のドアハンドルが作製して取り付けられている
  • 日産 シルビア:エンジンはR型のオリジナルで、純正のSUツインキャブをセット。電磁ポンプ、フルトラ点火、電動ファンも装備する
  • 日産 シルビア:サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーンで、リアがオリジナルリーフ。ブレーキはフロントがディスク(シリンダーピストンを54B用に交換)、リアがL&Tドラム(ドラムカバーをSR311用に交換)という構成
  • 日産 シルビア:排気系はオリジナルのスチール製からステンレス製のタコ 足/マフラーに交換され、今後トランクはスチール製からFRP製に交換される予定
  • 日産 シルビア:トランスミッションはポルシェタイプの4速オリジナル
  • 日産 シルビア:伊藤さんにとってクルマは、「小さい頃から常に一番好きだったもの、憧れ、大きな玩具」なのだという。年齢を考慮し、今後は所有する愛車を減らす方向とのこと
  • 日産 シルビア:ボンネットはスチール製からFRP製に変更された。フェンダーミラーは取り付け部を加工して交換している
  • 日産 シルビア:現車のタイヤは、オリジナルの5.6-14 4PRからダンロップ・ル・マン175/70R14サイズに交換。ホイールは、オリジナル4J×14スチールから5.5J×14カンパニョーロ マグネシウムに変更されている(FMM参加時はRSワタナベホイール)
  • 日産 シルビア

改めてデザイン性の高さに惚れました!

栃木県で長く続くクルマ好きの集い「Free Motor Meeting(フリーモーターミーティング 以:FMM)」に、日産 初代「シルビア」を所有するオーナーが参加していました。惚れ込んだデザインとの出会いから始まり、手をかけながら走らせる喜び、旧車ならではの苦労話を聞いてみました。

5〜6年前のイベントで初代シルビアを見て購入を決意

「新しいクルマとは違って、整備をある程度自分でできることが旧車ならではの楽しさですね。シルビアで出かけると初対面の人とも気軽にクルマの話ができることもうれしいポイントです」

このように話すのは、オーナーの伊藤和弘さん(取材時年齢70歳)。愛車は1967年式の日産 初代シルビア(CSP311型)で、2023年7月に購入された。

「5~6年前のことになりますが、旧車のイベントで数十年ぶりに初代シルビアを見て、改めてデザインのよさに感心させられました。フェアレディがベースのため、比較的パーツがあって維持しやすいと思い、買ってみたわけです」

現在は、整備を行いながら、時折走らせ、イベントに参加する際に乗っているとのことだ。購入時に11万5917kmだった総走行距離は、12万482kmまで伸びた(オドメーターの表示上の数値。実際の総走行距離は不明)。

エンスト究明に3カ月!さらに2年がかりの大作業

「シルビア・オーナーズクラブのイベントで、不安だった長距離走行も問題ないことがわかり、なおかつ同一車種8台ほどでのツーリングができたことが愛車との1番楽しいエピソードです。しかし、買ってからの苦労話はもちろんあります。まず、走行中にエンストしてしまうというエンジン不調が発生し、これの原因究明と修復に3カ月かかりました。そして、ブレーキキャリパーをMK63からオリジナルのMK-IIに交換する作業と、ホイール交換に2年を要しました。どうして、そんなに時間がかかったのかというと、ブレーキチューブなどの造り直しと、ホイールの加工が必要だったからです」

これまでに直した部分を詳しく伺うと、燃料系の洗浄/整備、インマニの修理、排気系の交換、ブレーキキャリパーのオーバーホール(部品作製加工)、ホイールの加工/塗装交換、ボディの修理、バンパーメッキの加工、フェンダーミラーの加工、内装修復(一部は作製)、ヒーターコアバルブの洗浄/整備といった多岐にわたるメニューをこなしてきたことが分かった。

「今後、ボディの錆びている部分および欠損部の修復と全塗装、小物部品の再メッキ、トランクをFRP製に交換するなどし、とにかく外装をキレイにして、一旦オリジナルの状態に戻したいです。冷却系では、配管の造り直しと切り替えバルブの取り付けを実践したいと思っています。完調になったら、これまで以上に旧車イベントに参加したいです」

過去の愛車についても伺うと、ホンダ S800(1966年式と1968年式)、トヨタ カローラリフトバック、ホンダ クイントインテグラ、プジョー 405、ルノー メガーヌ、日産 ラフェスタ、フォード Ka、MCC スマートK、ダイハツ ミラジーノ、スズキ Keiといったじつに多彩なラインナップであった。

現在は、ホンダ S2000(2000年式/2014年購入)、ダイハツ コペン(2002年式/2024年購入)も日産 シルビアと一緒に愛用しているとのことだ。生粋の自動車趣味人である伊藤さんは、今後もシルビアとともに思い出を作っていくことだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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