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雑誌がきっかけで旧車沼へ!大破から復活した1.5台目?のホンダ「N III 360」

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

  • 1970年式 ホンダN III 360とオーナーの川村圭一さん
  • ホンダN III 360:ステアリング、ダッシュ パネルともに割れひとつない良好な状態を保っている
  • ホンダN III 360:ベンチシートながら個別にリクライニングが可能な前席
  • ホンダN III 360:タコメーターが備わらないグレード。速度計の内側には、推奨 シフトアップ ポイントを示す目盛りが刻まれているのが興味深い
  • ホンダN III 360:開閉式のリアウインドウ。三角窓との組み合わせにより効率的な換気を行う
  • ホンダN III 360:通勤など日常使いもしているという川村さん。トランクにはジャンプ コードや工具、そして クルマを塗った際に使ったサフェーサーのスプレーまでもが積まれていた
  • ホンダN III 360:インパネから生える形状のシフト レバー。操作性は非常に良好だそうだ
  • ホンダN III 360:3年前にエンジンをオーバーホールした。こうしたクルマを維持するにはクラシックカー専門店「ネオライフ」の存在は不可欠だと川村さんは語る
  • ホンダN III 360:最終型はリヤのトレッドを5mm広くなり、エクステリアデザインも変更された
  • ホンダN III 360:ホンダ初の本格的量産型乗用車として1967年3月にデビューしたN360の最終進化型となる

雑誌と街中で見たヨタ8に感動して購入!

旧いクルマとの出会いは、思わぬきっかけから始まることがあります。川村さんの場合は、1冊の雑誌を手にしたことから、旧車の世界へ深く踏み込んでいきました。そこから仲間が生まれ、イベントの運営に関わり、生活の一部になるほどの趣味へと発展していきました。今回は川村さんの愛車のホンダ「N III 360」について話を伺ってきました。

クラシックカーイベントのスタッフとして参加するなど“沼”にハマる

川村圭一さんの愛車遍歴は、中古の日産「230ローレル」とトヨタ「KP61スターレット」であった。その川村さんが、本屋で「ノスタルジック’60」というヒストリックカーのムック本を手にした32年前。クルマ選びは旧い方へと大きく傾いていった。

「ちょうど本を買ったタイミングで、街を走るヨタ8(トヨタ スポーツ800)を見て感動したのが始まりでした」

その後、川村さんはすぐにヨタ8を手に入れた。

また、地元のクラシックカークラブ「JHCC(ジャック ヒストリックカー クラブ)」の事務局である喫茶店 ジャックと豆の木に通うことから、川村さんはさらに深くヒストリックカーの趣味へとのめり込んでいった。

今回の群馬県・桐生八木節まつりでのクラシックカー展示も、地元クラブであるJHCCの協力で実現した企画だ。この日もスタッフとして、クルマ搬入時の誘導や交通整理などの役目をこなしていた川村さんだが、毎年定例の群馬大学 桐生キャンパスで開催される「クラシックカーフェスティバル in 桐生」へもスタッフとして参加し、200台近い来場車と2万人近くの一般見学客を迎え入れている。ヒストリックカーの趣味は、川村さんの生活の一部になっているようだ。

現在の愛車は、知人が手放すということで譲り受けて12年の付き合いになるホンダN III 360である(以降N III)。

ホンダ初の本格的量産型乗用車として、1966年の第13回 東京モーターショーで発表され、翌1967年3月にデビューしたN360は、FF方式(前輪駆動)を採用することで広い室内空間を確保し、高出力エンジンを搭載してベストセラーとなった。川村さんの所有するクルマは、N360の第三世代として1970年1月に登場したN IIIである。

ボディサイズの変更はないが、リアのトレッドを5mm広くすることで走行安定性の向上を図った。フロントマスクが大きくリニューアルされた外観は新世代モデルをアピールしたデザインとなり、それまでの4速ドグミッションから、操作性やフィーリングも大幅に改善された4速フルシンクロメッシュのトランスミッションを搭載した。加えて、新たな遮音吸音材により静粛性も大きく改善されるなど、正常進化したモデルである。

川村さんも、エンジンのパワーバンドに乗せてシフトアップしていく時の心地よさ、コーナリングの良さは通勤しているだけでも楽しいと、N IIIにすっかり魅せられている様子である。

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