1年限りの勝負で生まれたLC1という存在
続いてはWECで活躍したLC1とLC2ですが、じつはこの2台、取材当日にはマカルーゾ・コレクションのワークショップには不在でした。前日にイモラで開催されていたヒストリック・ミナルディデイに参加していたため、訪れた日はイモラからトリノのワークショップへの移動日だったのです。そのためトリノで出会うことは叶いませんでしたが、ヒストリック・ミナルディデイで取材したときの写真を使って紹介していきましょう。
LC1は1982年のWEC参戦に向けてランチア・コルセが投入したグループ6マシンです。シリーズがWECに変わった1981年までの主戦マシンはグループ6のオープン2座レーシングカーでしたが、1982年からは新設のグループCへと移行します。ただし1982年シーズンは移行措置として2L以下のグループ6も参戦可能とされ、パワーは小さいものの燃料総量が規制されていない分、グループCに対して有利ではないかとの判断から、この1シーズンのためだけにブランニューのグループ6マシンが開発されることになりました。
具体的には、ベータ モンテカルロ ターボで実績のある1425cc直4ターボ(ターボ係数をかけても2L以下の1995cc)を、ジャンパオロ・ダラーラが手がけたアルミモノコック・シャシーに搭載。完成したLC1は開幕戦モンツァでポールを奪い、続くシルバーストンとニュルブルクリンクを連勝するという上々の成績を残しました。マカルーゾのLC1は、スパ・フランコルシャンで3位、ムジェロでポールポジション、最終戦の富士スピードウェイでポールポジションから2位入賞を果たした個体そのものです。
グループCマシンとして2.6L V8ツインターボを搭載する「LC2」
1982年はオープン2座のグループ6で戦ったランチア・コルセも、車両規則が全面移行した1983年にはグループC規定に則ったニューマシンを登場させています。これがLC2で、フェラーリ「308」のエンジンをベースに新設計の2.6L V8ツインターボ・エンジンを開発し、引き続きダラーラが手がけたアルミモノコック・シャシーに搭載しました。
空気抵抗を低減してトップスピードを稼ぎつつ燃費向上にも寄与させるべく、制限サイズの2000mmより200mmも狭いナロートレッドとするなど、独自のコンセプトは当をえたものでした。王者のポルシェに先んじて何度もポールを奪う速さを見せたのですが、信頼性不足などがたたり、勝利数はワークスとして活動した3シーズン余りでわずかに3勝。マカルーゾが所蔵するLC2は、1983年にモンツァやイモラでポールを奪い、1985年のスパ・フランコルシャンでポール・トゥ・ウィンを飾った個体です。
マカルーゾ・コレクションにはもう1台、気になるマシンが収蔵されていました。それがリジエのF1マシン、1979年式のJS11/15です。こちらについてはこれから周辺取材を進めて、また別の機会に詳しく紹介しようと思っています。










































