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実動できる個体はおそらく1台のみ!1960年式トヨペット「ルートトラック」がコンクールデレガンスを受賞

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)

これまでの時間に敬意を表してあえてレストアしなかった

「もとのオーナーは林業関係のお仕事をしていた方で、仕事をリタイアされた後もこのクルマを手放すことなくずっと持っていたんです。保管状態が良かったので、この年式の商用車にしてはずいぶんしっかりしていました」

石川さんが2代目オーナーだという。

「とても貴重な個体だと思ったのでなんとか路上復帰させたいと思い作業を進め、2025年の4月に中古新規登録でナンバーを取得しました」

この個体がくぐり抜けてきた長い時間に敬意を表し、ボディ外観などはあえてのノンレストア。細かな箇所に至るまで、基本的にはすべて当時の純正パーツにこだわっているが、リアのタイヤだけはオリジナルのサイズがなく、ひとまわり小さいサイズに変更して減トン登録(最大積載量を減らして登録すること)している。

「7月27日に行われた金沢クラシックカーミーティングでイベント・デビューして、この日本海クラシックカーレビューは2回目のイベント参加となります」

親子二代の旧車愛も評価されてコンクールデレガンス受賞

じつは石川さんの息子の恵太さんもこのイベントに1970年式のスカイラインGT-Rで参加しており、この界隈では筋金入りの旧車乗り親子として知られた存在だ。そんなオーナーの歩んできたこれまでのバックボーンも、クルマそのものの希少性に加味されて、今回のイベントでは審査員満場一致で日本海クラシックカーレビュー・コンクールデレガンスのグランプリ受賞と相成った。

欧米の王侯貴族や大富豪たちが、コーチビルダーにオーダーメイドで作らせた超高級車とともに、自身や同伴するご婦人のファッションまで含めてそのセンス(と財力)を競うといった、コンクールデレガンスの本来的な意味とはいささかニュアンスを異にするかもしれないが、これもまたひとつの見識。日本のイベントならでは、さらには日本海クラシックカーレビューならではの懐の深さでもあろう。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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