クラブ員から譲ってもらったカニ目との付き合いは12年目
2024年4月に第1回がスタートしたフレッシュなヒストリックカー・イベントが、新潟市妙高高原の赤倉温泉大駐車場で開催された「スワップ&ミート・イン妙高」です。エントラントは単に車両を展示するだけではなく、パーツやグッズの販売・交換会やオークションなど、主催者が用意した多彩なコンテンツにも参加でききます。もともと戦前からの長い歴史を持つリゾート地で開催されるだけに、欧米のヒストリックカー・ウィークよろしく、家族や大切な人とともにゆったり過ごせる「滞在型イベント」を目指しているようです。
50台の参加車で目を惹く1959年式オースチン ヒーレー スプライト
2024年秋の第2回に続き、2025年9月27日(土)〜28日(日)に開催された第3回スワップ&ミート・イン妙高。エントラントの台数は50台ほどと比較的少なめながら、貴重な戦前車から懐かしくも身近な国産セダンまで、そのラインナップはじつにバラエティに富んでいた。
今回も地元新潟県や隣接する長野県はもとより、関東や中部・東海エリアからも熱心なエントラントが集まった。そんな会場に集うクルマたちのなかでも、ひときわ小さく、そして剽軽な表情で佇んでいたのは1959年式オースチン ヒーレー「スプライトMk.1」だ。その特徴的なルックスから英語圏では「FROG EYE」、日本では古くから「カニ目」の愛称で親しまれてきたライトウェイト・スポーツカーの傑作である。
鮮やかなグリーンにワイヤースポークというこちらの個体、もしかしたら見覚えのある方も少なくないのではないだろうか。じつはこのカニ目のオーナーは、糸魚川クラシックカークラブの会長を務める歌川和明さんである。
糸魚川クラシックカークラブといえば1992年に創立された歴史あるクラブで、同クラブのメンバーが核となって運営される老舗イベント「クラシックカーレビュー日本海」は、2025年で34回目を迎えている。同じ新潟県なかで新たに始まった旧車のイベントに、同郷のよしみ、そしてヒストリックカーを趣味とするもの同士として参加したのが、歌川会長とその愛車であったというわけだ。
カニ目と出会い自分好みにモディファイしていった
「いつもはイベントを主催する側なので、取材されることは今までほとんどなかったんですよ。カニ目に乗る前はクラシック・ミニに乗っていました。あるとき、糸魚川クラシックカークラブのメンバーがこのカニ目を手放すというので、それを譲ってもらったんです。今から12年ほど前のことです」
クルマを手に入れた時点では、バンパーレスのスチールホイールという姿だったそうだが、その後バンパーを装着し、ホイールもワイヤーホイールへと変更した。
「ちょっとミーハーかとも思ったのですが、昔からクラシックカーにワイヤーホイールという組み合わせに憧れがありまして……」
鈴鹿サーキットで同乗したF1パイロットがダッシュボードにサイン
室内に目を転じると、ダッシュボードになにやらサインが書かれているのが見える。じつはこれ、ただの落書きではない。
「これは鈴鹿サーキットでF1が開催されたとき、F1パイロットを助手席に乗せてパレードした記念に書いてもらった思い出のサインなんです」
歌川会長とカニ目は2016年と2018年の2回、鈴鹿でのF1パイロット同乗パレードランに参加している。ダッシュボードに誇らしげに書かれているのは、2016年がエステバン・オコン選手、2018年がセルゲイ・シロトキン選手の直筆サインだ。
万一パレード走行中にクルマが止まったらどうしようと、緊張しながらのドライブだったそうだが、じつに貴重な体験とその証左である。ちなみに「糸魚川クラシックカークラブ」はその名の通り新潟県糸魚川市を中心に活動しており、歌川会長は市内で明治時代から続く老舗の菓子工房を経営している。
「このカニ目は、普段はお店にディスプレイしてあります」
とのことなので、タイミングが合えばF1パイロットのサイン入りヒーレー・スプライトを店内で見ることができるかもしれない。




























































