空力優先を貫いた「逆転の発想」によるデザイン
そして空力だ。レーシングカーがそうであるとおり、空力を追求しすぎると、いわゆる「色気」がなくなる。しかしGR GTは割り切って空力・冷却性能を最優先した。空力性能の理想像を定めてからエクステリアをデザインする「逆転の手法」でまとめてきたのである。
開発にあたっては、エンジニアからデザイナーに「このクルマは造形より空力優先だ」とあらかじめ伝え、その意図を汲んでもらってデザインしたという裏話も聞くことができた。この潔さは前代未聞だ。それだけにデザインの良し悪しについては意見が分かれるかもしれないが、これは大阪オートメッセの会場で、自分の目で確かめてみてほしいところだ。
そういう意味では、GR GTの本命といえる「GR GT3」も大注目である。
「GR GT3は、市販車をベースとするカスタマーモータースポーツのトップカテゴリーであるFIA GT3規格に沿って、勝ちたい人に選ばれる、誰が乗っても乗りやすいクルマを目指しています。プロドライバーのみならずジェントルマンドライバーもステアリングを握るGT3カテゴリーのレーシングカーにおいても、GR GTと同様にドライバーファーストは重要な価値と考えています」
とそのコンセプトを謳っている。
発売されれば、ル・マン24時間レース、WEC世界耐久選手権、GTワールドチャレンジ、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、国内のスーパーGTやスーパー耐久を舞台に幅広く活躍することだろう。一応、レクサスRC F GT3の後継車という位置づけだが、「GR GT3」はGRがゼロからつくり上げた初めてのGT3なので、力の入れ方が半端ではない。
モリゾウがこだわった「魂のエキゾースト」
レースで勝つ気満々なのが伝わってくるので、早くその雄姿を実戦で拝みたいところだが、両車ともデビューは2027年を目指しているとのことだ。
国産スーパースポーツの星として、国内外から問い合わせが絶えない両車だが、もう一点、モリゾウことマスタードライバーの豊田章男氏がとくにこだわったといわれているのが「エキゾーストノート」である。開発初期から「排気音は大事ですよ」と言明されており、厳しくなる音量規制のなかで、スポーツカーらしいサウンドチューニングにも心血を注いできたという。その苦心のサウンドも大阪オートメッセで聞くことができるので、自分の耳で確認してみよう。
なお、今回の大阪オートメッセを最後に、両車ともにしばらく公式イベント等には登場する予定がない。つまり、この大阪オートメッセが実見する貴重なチャンスなのだ。ただし、閉幕後は愛知県豊田市の「トヨタテクニカルセンター下山」の来客棟に展示されることになると聞いたので、豆情報としてお伝えしておこう。























































































































