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購入価格より修理代が高い!? それでもベンツ「A124型カブリオレ」を18年愛し続ける理由

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TEXT: 宮越孝政(MIYAKOSHI Takamasa)  PHOTO: 宮越孝政(MIYAKOSHI Takamasa)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

直して直して直して新車に戻る過剰品質車両!?
2年のリフレッシュと憧れの「フロリダの空」

直していくのも124シリーズの楽しみである。多くのファンは、パーツを交換すると何事もなかったように新車のように走るこのクルマに惚れ惚れし、修理してしまうことが非常に多いのだが、赤カブリオレマンさんも御多分に漏れず、購入から2年かけてしっかりとリフレッシュをした。

まず手を入れたのは足まわりで、当時は潤沢に補修部品があったので、フロントとリアのショックアブソーバーのみならず、124の要と言われているロアアームやメンバーブッシュ、マルチリンクのアームなど、すべてを一新させ走りの基本を整えた。これをすると本当に新車時の乗り味に戻るところが「最善か無か(The Best or Nothing)」という、当時のメルセデスのスローガンを体現した「最後の過剰品質時代の一台」と言われる所以でもある。

続いて、気持ちよくオープンエアーを楽しむために電動幌をリペア。動作させる油圧シリンダーを8本交換し、幌も張り替えた。その際、純正のブラックからインペリアルレッドのボディカラーに似合う「タン色」に変更した。仕上げている当時、出張でアメリカにいくことが多く、「フロリダの青い空の下で止まっているカブリオレがこの幌の色で、そのイメージを再現したかった」ということも、タン色を選択したもうひとつの理由だ。

エンジンは、この頃に搭載されていた「M104」と呼ばれる3.2L DOHCエンジンだが、日本の過酷な渋滞で傷んでしまうことが多く、調子を崩していることが多かった。このクルマもイマイチな調子だったので、定番とも言えるヘッドの面研(平面研磨)、ヘッドガスケット交換、コの字シールの交換を実施した。また、エンジンマウント、スロットル、ハーネス、ラジエターなど、徹底してネガティブな要素を新品交換し、徹底的に手を入れている。

さらにエアコン整備にも抜かりなく、ダッシュボードを下ろし、エバポレーターやレジスターファン、ヒーターコアなどもすべて新品交換されている。「今でも吹き出し口から出てくる空気の匂いは新車みたいな感じ」というほど、素晴らしい状態を保っている。

お金を払えばもっといいクルマは買えるけど
手塩にかけた相棒は絶対に一生手放せない!!

内装にもこだわりを持っていて、前オーナーは女性だったため、ハイヒールの跡などで傷みや傷があった場所は、迷わずすべて新品に交換した。そのため、現在でも極上の内装になっている。外装も、ボディパネルこそ綺麗だったが、腰下は細かい傷が多かったためにお色直しを行った。

ここまで手を入れたA124カブリオレは、「どこが好き」というよりも、リペアして蘇らせたことのすべてがいい思い出になっている。「お金を払えばもっといいクルマは買えるかもしれないですが、ここまで手塩にかけたクルマはもう絶対に手放すことができない」と言うほどのお気に入りになった。

現在このクルマは、日曜日にゴルフやドライブにいくための単なる移動手段ではなく、時間と手間、そして想いを惜しみなくつぎ込んだ「人生と起業した年月を映す大事な相棒」となって、これからもオーナーと共に走り続けるだろう。

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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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