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270万台の大ヒットで「壊れないメルセデス」神話を確立! 生誕50周年メルセデス・ベンツ「W123」の魅力を再確認!!

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: Mercedes-Benz AG/妻谷コレクション(TSUMATANI Collection)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • 優れた走行性能と快適性を予感させる、メルセデス・ベンツ「W123」の走行シーン
  • 丸型4灯式ヘッドライトを備えた4気筒モデルは、比較的若い層を狙った若々しい装いが特徴
  • 横広の角型ヘッドライトを採用した6気筒モデル。こちらも若い世代を意識したスタイリングだ
  • Bピラーを持たない優雅なハードトップスタイルが魅力的な、4人乗りの2ドアクーペモデル
  • こちらもスポーティでエレガントな造形が目を引く、1977年3月発表の4人乗り2ドアクーペ
  • 1977年3月にラインアップへ追加された、スポーティでエレガントな4人乗りの2ドアクーペ
  • 「Tモデル」と呼ばれ、汎用性の高い車両として活躍した7人乗りのステーションワゴン
  • 1977年9月に発表された、広大な荷室と高い実用性を誇る7人乗りのステーションワゴン
  • フォーマルな場や送迎用としても高いニーズを誇った、ロングホイールベースのリムジン仕様
  • 延長されたロングホイールベースのシャシーを活用し、特殊車両である救急車仕様もラインアップ
  • 通常モデルからホイールベースを63cmも延長し、さらなる居住性を追求したロングリムジン
  • 圧倒的な耐久性を誇るディーゼルエンジン搭載車は、世界各国のタクシーとして重宝され大活躍した
  • ヘッドライトのデザイン。4気筒モデルには丸型4灯式、6気筒モデルには横広の角型が採用された
  • ロンドン〜シドニー・マラソンラリーを制したA・コーワン/A・フォークス組の「280E」
  • 過酷なロンドン〜シドニー・マラソンラリーで砂煙を上げて爆走するカーNo.33の「280E」
  • 世界にその頑丈さを知らしめた栄光のカーNo.33。現在もメルセデス・ベンツミュージアムに所蔵されている
  • 圧倒的な耐久性を証明して総合優勝を果たしたカーNo.33は、現在メルセデス・ベンツミュージアムに展示
  • 衝突安全性を高めるため、前後に衝撃吸収式構造を採用し、客室部分は頑丈なセーフティセル構造で守られている
  • 先進の「ESEM」システムにより、乗員を守るための最適なボディシェルやピラー形状が導き出された
  • コンピューター設計システム「ESEM」を導入し、客室剛性の最適化やルーフピラーの角度などを綿密な計算で決定
  • セダンモデルを用いた正面衝突テストの様子。メルセデス・ベンツが誇る厳格な安全基準がうかがえる
  • こちらはクーペモデルによるオフセット衝突テスト。多角的なクラッシュテストを経て安全性が高められた
  • 90度バンクを用いた高速走行テスト。セダン、クーペ、ステーションワゴンの3モデルが並走する貴重なカット
  • 90度バンクでの高速走行テスト。「W123」とともに、走る実験室「C111-II」と「C111-III」が並走している
  • 車体に大きな負荷をかける悪路区間テストの様子。世界中のあらゆる道を想定した厳しい耐久試験が行われた
  • 深い水たまりを想定した貯水池での走行テスト。過酷な環境下でも走り抜ける信頼性がここで磨かれた
  • Bピラーレス構造でありながら、各ピラーとルーフの強化によって高いボディ剛性と安全性を確保した2ドアクーペ
  • ボディ剛性を確保した2ドアクーペのインテリア。シートベルトはしっかりと乗員を保護する設計となっている
  • 2ドアクーペはBピラーを持たない優雅な造形のため、代わりにAピラー、Cピラー、そしてルーフ部分が強化されている
  • 1977年9月に追加されたステーションワゴンには、荷物量に関わらず車高を保つ自動レベルコントロールが標準装備された
  • 広大なラゲッジスペースを持つステーションワゴンは、週末のレジャーを豊かにするクルマとして大人気となった
  • 優れた走行性能と積載性を両立し、ファミリーカーの理想像として確立されたステーションワゴンモデル
  • 実用性の高いステーションワゴンは、ビジネス用途からレジャーまで幅広いライフスタイルをカバーする存在となった
  • 実用性の高いステーションワゴンは、ファミリー向けの豊かなライフスタイルと、レジャーカーとしての新たな基準を世界に提示した
  • 多くの工具や交換部品を積み込んでも姿勢が崩れない「W123」のワゴンは、サービスカーとして最適な1台だった
  • 広い荷室と高い信頼性を買われ、ディーラーなどのサービス店用車両として各地の出張修理などでも大活躍した
  • ラゲッジスペースは通常時で523L、後部座席を折りたためば最大879Lという広大でフラットな空間が出現する
  • 実用的なリアウインドウワイパーとウォッシャーを標準装備することで、悪天候時でも後方の視界を十分に確保できる
  • ルーフレールを標準装備しており、ラゲッジラックやコンテナ、スキーボックスなど多様なアタッチメントを取り付け可能だ
  • 緊急時にすぐ手が届くよう、メルセデス・ベンツ独自の救急箱はハットシェルフ内に格納されるという細やかな気配り設計
  • 累計約270万台という驚異的な数を生産したW123シリーズ。写真はセダンモデルを生産していたジンデルフィンゲン工場
  • 同じく累計約270万台を記録したW123シリーズのうち、ステーションワゴンモデルの生産を担当していたブレーメン工場
  • 前後衝撃吸収構造とセーフティセルで守られたボディ構造。安定感のあるワイドトレッドが目を引くリアビュー
  • 前後衝撃吸収構造と頑丈なセーフティセルを持つボディ。ロングホイールベースとワイドトレッドが特徴的なサイドビュー
  • 1958年に特許を取得したセーフティコーンタイプのドアロックを採用。ドア側に設けられた円錐形の太いピンが特徴だ
  • 衝撃に強いセーフティコーンタイプのドアロック。ポスト側には太いピンをがっちりと受け止める頑丈なボックスが備わる
  • 燃料タンクは後方からの衝突を考慮し、クラッシャブルゾーンから外れたトランク隔壁とリアシート間の安全な場所に設置
  • 先進的なダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションの構造図。スクラブ半径をゼロにするこだわりのジオメトリーだ
  • リアサスペンションは先代モデルから受け継いだセミトレーリングアーム式を採用しつつ、さらにキャパシティが引き上げられた
  • 「W123」の走りを支えたパワートレインのひとつ。SOHC 4気筒の「200」および「230」ガソリンエンジン
  • こちらは上位グレードに搭載されたパワートレイン。よりスムーズで高いパフォーマンスを発揮するDOHC 6気筒の「280TE」エンジン
  • 燃費と耐久性の高さから、タクシー用途も含めて世界中で圧倒的な支持を集めたメルセデス・ベンツ「W123」のディーゼルシリーズ
  • ディーゼルモデルの「300D」には、耐久性に優れたOM617型 SOHC 3.0Lの画期的な直列5気筒エンジンが搭載された
  • 新設計の「コルゲート・チューブ・タイプ」を採用したステアリングコラム。軸方向と横方向の衝撃を吸収し乗員を保護する
  • 衝突時にドライバーの胸や頭部を守るため、ステアリングホイール中心の衝撃吸収用パッドは従来よりも大型化されている
  • ドライバーが安全に運転に集中できるよう、各ピラーを細く造り上げて死角を最小限にとどめる工夫が凝らされている
  • 広いウインドウ面積で優れた視界を確保。客室の剛性を保ちつつ各ピラーを細く設計し、死角(ブラインドスポット)を減らした
  • 雨天時の視界確保にも抜かりはない。新設計のワイパーは、フロントウインドウ面積のなんと78%もの広範囲を拭きとる能力を持つ
  • 前後のピラーには特殊形状のルーフドリップチャンネルを備え、雨水や泥汚れをルーフへ逃がしてサイドウインドウの汚れを防ぐ
  • ボディ側面のラバープロテクターは、走行中の泥はねを防ぐだけでなく、駐車時に隣のクルマのドアが当たるのを防ぐ機能も果たす
  • 悪天候時でも後続車からの視認性を高く保つため、汚れが溜まりにくい凹凸形状に工夫されたテールライトレンズのディテール
  • 泥水が付着しても凹部が汚れずに光を放ち続けるよう、特殊な凹凸形状に設計された視認性の高いテールライトレンズ
  • 人間工学に基づいて設計された「呼吸するシート」。通気性が良く、長距離ドライブでも疲れにくい構造だ(写真はファブリック)
  • 適度な硬さで身体をしっかりサポートし、長時間の運転でも疲労を軽減してくれるシート(写真はオプションのベロア仕様)
  • ミディアムクラスならではのゆったりとしたスペースが確保された、余裕のあるリアシート(写真はオプションのベロア仕様)
  • 長距離走行を得意とし、世界中で圧倒的な支持を集めた画期的な直列5気筒カプセルディーゼルエンジン
  • メルセデス・ベンツ「W123」の美しいスタイリングが並ぶ

Eクラスの礎を築いた生誕50周年を迎えたメルセデス・ベンツ「W123」の偉大な功績を再考する

2026年は、1886年にメルセデス・ベンツが誕生して140周年にあたります。そして今から50年前の1976年1月、のちの「Eクラス」の礎となるミディアムクラス「W123」が正式に発表されました。生産台数約270万台という驚異的なヒットを記録し、世界中のタクシーや過酷なラリーでも活躍した伝説の名車です。その50周年を記念し、W123が自動車史に刻んだ偉大な功績と先進的なメカニズムの数々を詳しく振り返ります。

元祖オーバークオリティの「ミディアムクラス」が打ち立てた10年で生産270万台という大ヒット

1970年代のメルセデス・ベンツを象徴するモデルのひとつが、1976年に発表されたメルセデス・ベンツ「W123」シリーズだ。先代の「W114/W115」シリーズの後継として開発された。

このW123は、メルセデス・ベンツの哲学である「最善か無か」を具現化した存在である。同社の歴史のなかでも屈指の成功を収めたモデルだ。1986年までに生産された台数は約270万台。これは当時のメルセデス・ベンツとしては驚異的な数字である。のちに「Eクラス(W124)」と呼ばれるミディアムクラスの地位を確立した、記念碑的モデルでもあるのだ。

若々しさをまとった新世代のデザイン意匠とはばひろい車種バリエーションが123シリーズ成功のカギ

W123が正式に公開されたのは1976年1月。スタイリングは先代の縦目(W114/W115)に比べて、スリムで洗練された印象となった。従来の顧客層だけでなく、より若い世代にも訴求するデザインであると筆者は痛感した。

ヘッドライトは4気筒モデルが丸型4灯式、6気筒モデルは角型だった。当時、4気筒モデルを角型ライトに変えるカスタマイズが流行した。しかし1977年9月のロンドン〜シドニー・マラソンラリーで「280E」が優勝すると、このラリー仕様のマシンが「4灯式ヘッドライト+ドライビングライト」を装着しており、それがかなりカッコよかったため、慌てて丸型に戻したというエピソードが世界中で聞かれた。

技術面では、当時のフラッグシップであるメルセデス・ベンツ「Sクラス(W116)」のコンポーネントを受け継いでいた。発売直後から市場の反応は極めて良好で、生産初年度の車両はすぐに完売した。顧客のなかには納車まで1年以上待たされるケースもあったほどだ。

W123の魅力はそのバリエーションの豊富さにもある。1976年に登場したセダンに続き、1977年にはBピラーを持たない優雅なハードトップスタイルの2ドアクーペ(C123)を発表。同年9月には「Tモデル(TouringやTransportを意味する)」と呼ばれたステーションワゴン(S123)が追加された。さらにホイールベースを延長したリムジン仕様や、救急車などの特殊架装モデルも用意され、幅広い用途に対応するシリーズへと発展した。

市販車ベースで史上最長のマラソンラリー優勝やタクシー使用で証明された圧倒的な耐久性と信頼性!

中古車市場でも高い価値を維持し、価値落ちの少ないクルマとしても知られた。とくに耐久性に優れるディーゼルモデルは世界各国のタクシーとして採用され、その信頼性の高さを証明する存在となった。

W123の耐久性を世界に知らしめた出来事として有名なのが、1977年のロンドン〜シドニー・マラソンラリー1977年大会は、走行距離が約30,000kmという「史上最長のラリー」として知られている。この過酷な長距離ラリーに参戦した「280E」は総合優勝を達成した。アンドリュー・コーワンが見事にゴールまでトップで走り切ったのだ。しかも2位にもトニー・ファウクスの280Eチームが入ったほか6位、8位とトップ10に4台がランクインする圧倒的な成績を残した。中でも6位入賞したクルマは、驚くべきことにドライバーの疲労軽減を目的としたメルセデス製4速オートマ搭載車両だったのだ。

また地球の4分の3を走るという過酷なラリーに出場したこの280Eは、特別に仕立てたワークスマシンではなく、市販車にロールケージやフロント&アンダーガードなど長距離ラリー用に強化を施しただけという仕様だったのだ。この280Eの成績により、W123の高い信頼性と耐久性を象徴するエピソードとして現在でも世界中で語り継がれている。とくに優勝したカーNo.33の280Eは、現在メルセデス・ベンツミュージアムに展示されている。

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