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4度のF1王者フェルスタッペンが幻のポール トゥ ウイン!? ニュル耐久レースは参戦も観戦も楽しい!【みどり独乙通信】

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • ニュルブルクリンク:愛車との定番撮影スポット。駐停車禁止区域なので、切符を切られないよう要注意です
  • ニュルブルクリンク:第1戦が雪で中止となり実質的な開幕戦となったこの日、会場はどこも大混雑でした
  • ポールポジションのフェルスタッペン周りは人だらけで何も見えません
  • 自販機コーナー:サーキット前に新設。お店が閉まっている時間帯でもステッカーなどの定番土産が買えます
  • ニュルブルクリンク:周辺はサイクリングを楽しむ人が多いため、ちょっとした自転車用の修理工具が新設
  • レジェンドくん:ニュルブルクリンクの公式マスコットキャラクター。パドックでファンを出迎えていました
  • パドック:フェルスタッペンのラウンジ前には、早朝からレース後まで待ち続ける熱心なファンの姿が…
  • メルセデスAMG GT3:大混雑のなか、スターティンググリッドへと向かうフェルスタッペンのマシン
  • KONDO RACING:はるか遠く離れたドイツ・ニュルのパドックで、おなじみのロゴを見られるのは嬉しい
  • 日本人ドライバーは乗っていませんが、ニュルで有名なファルケン・ポルシェ
  • リントナーホテル:サーキットに併設されたホテルの夜の外観。高級すぎて筆者にはなかなか泊まれません
  • ニュルブルクリンク:夜の映えスポット。駐停車禁止区域のため、愛車撮影中のカップルが切符を切られていました
  • メルセデスAMG GT3:F1王者フェルスタッペンがドライブし、ポールポジションを獲得したマシン
  • ピットウォーク:あまりの尋常ではない人だかりでまったく何も見えず、筆者は前へ進むのを断念しました
  • メルセデスAMG GT3:トップチェッカーを受けたものの、タイヤ規定違反により無念の失格となりました

世界一過酷で自由な草レース。アマチュアと同じコースを駆け抜ける4度のF1チャンピオン

ドイツ・ニュルブルクリンクで開催される耐久シリーズ(NLS)の第2戦が開催されました。第1戦が雪で中止となったため、実質的な開幕戦です。この日は現役F1最高峰ドライバーのマックス・フェルスタッペン選手が参戦するということもあり、現地にはかつてないほどのファンが殺到しました。アマチュアから世界トッププロまでが入り乱れる、ニュルならではの熱気を現地からお届けします。

実質的な開幕戦。F1王者の参戦でニュルは大熱狂

土曜日にワンデーイベントで開催される「Nürburgring Langstrecken-Serie(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)」、通称NLSは、朝8時半から10時半まで予選が行われ、ピットウォークを経て12時からレーススタートとなる4時間耐久レースです。

「レース」となるとなんだか気構えてしまいますが、ニュルでは誰もそんなことを気にしていません。ベビーカーに乗った赤ちゃんからおじいちゃんやおばあちゃんまで、ニュルの雰囲気を味わいに遊びに来て、日頃見たこともないようなレーシングカーを観てみようか~的なノリで気楽に来られるところがイイところなんですよ。一般観戦チケットは25ユーロ(1ユーロ=160円換算で約4,000円)です(24時間レースは別料金)。

プロ・アマの垣根なく数多くの選手が参戦するこのNLSでは、2026年は現役F1ドライバーのマックス・フェルスタッペン選手がメルセデスAMG GT3NLSに参戦するということで、多くのファンが詰めかけました!

予選では大クラッシュの発生で、ガードレール修復などフルアタックができない時間帯もありましたが、フェルスタッペン選手は133台参加のなかで見事ポールポジションを獲得!

身動きが取れないほど大混雑のピットウォークとスターティンググリッド

予選のあとはファンお待ちかねのピットウォークの時間です。NLSではファンがレース中にピットのなかにも自由に入れますし(フェルスタッペン選手のピットは例外で関係者以外立ち入り禁止)、ピットウォークもスタートグリッドも追加料金が不要(グリッドウォークやピットウォーク、パドックやグランドスタンド、観戦可能な各コーナーにも行けるなど)で、とてもお得なんです!

普段はこのレース前のピットウォークの時間にはちょっと休憩を取ったり、早めのお昼を食べる時間に充てるのですが、F1ドライバーがいるこの日はどんな感じかな~と軽い気持ちでピットロードへ行ってみたら、あらら、もうまったく身動きが取れず入り口付近でギブアップ(笑)。

レーシングカーどころか人々のアタマしか見えません。とくにフェルスタッペン選手のピットの前ではさらに多くの人が停滞中。そりゃ間近でF1ドライバーやそのマシンを観たいですよね。F1だとパドックに入れるのはごく一部の方だけですのでほぼ不可能に近いですが、ニュルならその願いも叶う可能性が高いです。

なぜ現役のF1ドライバーがニュルブルクリンクへ? 

そもそもナゼ現役のF1ドライバーがニュルへ? フェルスタッペン選手はもともと大のニュルのノルドシュライフェ(北コース)好きとして有名で、いつかはあの有名なニュル24時間レースに出てみたい! と願っていたのですが、F1ドライバーとして世界を飛び回る彼にも、パーミットと称されるニュルでレースに参戦するためにはライセンスを取得する必要があります。座学に始まり、インストラクターのレクチャーなど、レースに出場するまでにも多くの時間が必要となるのです。

しかし、彼の情熱は揺るがず、2025年に多忙なスケジュールの合間を縫って一般のドライバーとともにパーミットを取得して、いつでも参戦できる体制を作りました。

メルセデスAMGの代表によると、彼自身が経営するGT3チーム「Verstappen.com Racing」がGTワールドチャレンジ・ヨーロッパに参戦するためにメルセデスAMG GT3を購入した際に自らステアリングを握ってテストドライブし、その時に今年のレースになんとしてでも出よう! と強く願い、様々な手続きや交渉を経て実現したそうです。

F1ドライバーながらNLSのデジタル版のSIMレーシング(正式にはDNLS=Digital Nürburgring Langstrecken-Serieと呼ばれる。現実のNLS(実車レース)がオフシーズンとなる冬の間、世界的に人気のレーシングシミュレーター「iRacing」を使用して開催されるNLS公式のバーチャルレースシリーズ)へも、スケジュールの許す限り参戦しているというから驚きですよね。じつは彼、F1グランプリのレースウィーク中であってもモーターホームに持ち込んだ機材で24時間のシムレースに出場し、夜更かしして走りきった翌日に本物のF1でも優勝してしまうという、常軌を逸した「レース狂」エピソードの持ち主なんです。

幻のポール・トゥ・ウィン。F1王者とアマチュアがガチで勝負

このNLSではチームメイトらと何度もドライバー交代の練習もしていました。F1にはドライバー交代はありませんので練習は必要ですよね。そして、ニュルは130台前後の参戦があり、ピットインも大混雑なので、自分のピットを見つけるのも大変ですから良い練習になったようです。

手弁当で頑張るアマチュアチームから、4度のワールドチャンピオンを誇る世界トップクラスの現役F1ドライバーまで、じつに幅広いチームやドライバーラインアップが一堂に会して本気でレースをするというのが大きな魅力であり、唯一無二の存在がニュルです。

ストリートフードあり、グッズショップあり、アクションありで、サーキットはもちろんのこと、約21kmもあるノルドシュライフェのギャラリーコーナーで迫力あるシーンを観るのも楽しいひと時です。コンパクトカーがGT3マシンにギリギリでぶち抜かれるシーンは痺れます! 

見事ポールポジションからスタートしたフェルスタッペン選手は、圧倒的な速さを見せつけてトップチェッカーを受けたものの、レース後の車検でタイヤ規定違反により無念の失格という結末。F1という四輪モータースポーツの頂点に君臨しながら、アマチュアたちと同じコースで泥臭く本気のレースを楽しみ、そして厳格なルールの前に等しく失格となる。これこそが、世界一過酷で自由なニュルの魅力であり、彼が心から愛してやまない「真のモータースポーツ」の姿なのでしょう。やはりモータースポーツは、観戦するのも参戦するのも、リアルもバーチャルも楽しいですね!

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  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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