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ドリフト選手がニュルに初挑戦! 現地で見た驚きのスリック体験【みどり独乙通信】

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • トヨタ・スープラGT4:TOYOタイヤのチームからエントリーする、小高一斗選手とミハエル・クルムさん
  • メルセデスAMG GT3:TOYOタイヤカラーのGT3マシンをドライブするのは中山雄一選手
  • 宮園拓真選手:TOYOタイヤの社員ドライバーであり、グランツーリスモの世界チャンピオンでもあります
  • トヨタ・スープラ:藤野選手、堀野選手、宮園選手という異色のトリオがドライブしたレーシングカー
  • トヨタ・スープラ:藤野選手、堀野選手、宮園選手がドライブするピットの様子。緊張感が漂っています
  • ガソリンスタンド:アウトバーンに併設されたスタンドの価格。もはや400円どころの騒ぎではない
  • ガソリンスタンド:高級ディーゼルはもはや3ユーロ超え。日本円にして約600円という驚愕の価格です
  • 堀野仁選手:フォーミュラ・ドリフトなどで活躍中。今回はスープラを駆りニュル耐久レースに初挑戦
  • 堀野仁選手と藤野秀之選手:日本のドリフト界を牽引するスター選手ふたりがニュルのパドックに登場
  • トヨタ・スープラ:過酷なニュルブルクリンクのコースへと挑む、TOYOタイヤカラーのレーシングカー

ドリフト界のスター選手が異カテゴリーに挑戦! グリップ力に驚愕したニュル初参戦

ドイツのニュルブルクリンクで開催された耐久シリーズ(NLS)の第2戦。パドックを歩いていると、D1グランプリやフォーミュラ・ドリフトで活躍する堀野仁選手に遭遇しました。今回はドリフトではなく、グリップ走行で世界一過酷なコースに挑むといいます。スリックタイヤで未知の領域を走るドリフト選手のリアルな声と、驚愕のドイツ現地事情をレポートします。

ドリフト界のスター選手がニュルブルクリンク耐久第2戦に初参戦

まだドイツのモータースポーツは開幕したばかりとあり、パドックやピットをウロウロしながら観察していると、なんとD1グランプリやフォーミュラ・ドリフト選手権で活躍中の堀野仁選手に偶然にも遭遇!「TOYO TIRES with Ring Racing」からトヨタ・スープラを駆り、NLSへ初挑戦という堀野選手にお話を伺ってみました。

秋田スバルのメカニック担当から独立して、ショップ経営の傍らドリフトドライバーとして活躍するという異色の経歴を持つ堀野選手。ニュルには初めて来たそうで「すべてのスケールがすご過ぎて、刺激しかありませんよね!」と大興奮。コースの広さや参加台数、雰囲気やレースの体制など、すべてが初体験で瞳をキラキラさせて、まるで少年のようです。

高低差約300mの別世界。スリックタイヤの強烈なグリップに驚愕

耐久レースへの参戦経験はあるそうですが、堀野選手にとって初めてのニュルは、果たしてどのように感じたのでしょうか?

「私が過去に参加したことのある耐久レースと比べても、スケールやレベルが違いすぎてビックリ!という表現しかありませんし、いや~怖かったですね。とにかくやらかさないようにというのだけ念頭に置いて、慎重に運転しました」と苦笑いする堀野選手。

じつは、ニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)は、高低差が約300m(東京タワーとほぼ同じ高さ)もあり、170以上のコーナーが連続する世界屈指の超難関コースとして知られています。

事前にしっかりとシミュレーターで練習を重ねてニュルに乗り込んできたそうですが、普段は高速ターンを繰り返すようなドリフト選手であっても怖いと思わせるニュルで、とにかく確実に周回を重ねて、チェッカーフラッグを受けないと、という一心だったようです。

フォーミュラ・ドリフトでは「TSA Motorsport TY」に所属し、トヨタGR86をドライブしてTOYOタイヤとのマッチングではお手の物ですが、「じつは……僕はこんなにグリップするタイヤを初めて経験したんですよ!」と語ります。

ドリフト用のタイヤはいわば量販品と前置きをしたうえで、「ニュルで履くタイヤはスリックですから、グリップが強力に効きます。自分で『このくらいかな?』と思っているよりも、はるかにもっとスピードを出したところで曲がれるということに気付きました。ドリフトって200km/h以上で走ることはほぼないので、本当にニュルは別世界ですね!」と、驚きとドキドキで楽しいやら怖いやらという感じだそうです。

ニュルには有名なジャンピングスポットがあるのですが、「一度ちょっと踏んでみたら飛びそうになりました。まだ飛べないですよ」とおっかなびっくりのニュル初体験ですが、とても楽しそうです。

異カテゴリーへの挑戦がもたらす刺激と、恐るべきアウトバーンの現実

TEAM TOYO TIRES DRIFTからD1グランプリに参戦し、3度のシリーズチャンピオンを獲得する藤野秀之選手と組んでニュル初挑戦となったこの日。ドリフト選手たちが、違うカテゴリーのレースに挑戦する機会があるなんて、なかなか面白い試みですね!

今後どのようにニュルへ関わるかは現時点でまったく不明だそうですが、「このニュルで得た過酷なレース経験がドリフトにも活かせるのではないでしょうか」と、かなり良い刺激となったようです。憧れのニュルブルクリンク24時間レースについては、「もしもいつか出られる機会があれば嬉しいですね」と意欲を隠さず語ってくれました。スティント後に、チームメイトの藤野選手と「ああだった、こうだった」とふたり反省会でワイワイと盛り上がっている姿はじつに楽しそうでした。

私はドイツでは何度かドリフトの大会を観に行ったことがあるのですが、日本の本格的なドリフト選手権をまだ観戦したことがありません。ニュルでお会いした気さくでフレンドリーなドリフト選手たちの凄技を、ぜひ間近で観戦したくなってしまいました。

それにしても、レース後に帰宅途中のアウトバーンのサービスエリアに併設されたガソリンスタンドの価格にはビックリしました。高級ディーゼルは3ユーロ超え、日本円にして600円近くもします。

ニュルのコース上で200km/hオーバーの非日常なスピードと熱狂を味わうレーサーたちを横目に、帰りのアウトバーンでは高騰するガソリン代に怯え、スピード緩めの節約エコドライブでのんびり帰宅。モータースポーツの聖地での夢のような1日は、なんだかんだで現実の厳しさ(お財布事情)に引き戻されて幕を閉じるのでした。

>>>ドイツ在住池ノ内みどりさんのクルマにまつわるコラムはこちら

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  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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