仕事もサーフィンも全力で楽しむスーパーキャリイの理想形
大型のアメ車や旧車を乗り継いできた生粋のクルマ好きが、行き着いた究極の相棒はまさかの「軽トラ」だった。仕事も休日のサーフィンも全力で楽しむために、スズキ「スーパーキャリイ」を選んだというオーナーの“Ms”さん。なぜ彼は数あるクルマの中からこの1台を選び、どのような理想を込めてカスタムを進めているのか。そこには、オーナーならではのこだわりとカスタム哲学が詰まった、唯一無二の軽トラライフが広がっていた。
仕事グルマじゃない。遊びグルマでもない。人生を楽しむために選んだ1台だった。
リンカーンやシボレーなどのアメ車、ACCのエアサス仕様に仕立てたZ12型の日産「キューブ」、そして旧車であるB10型のダットサン「サニー」。これまで数々のクルマを乗り継ぎながら、自分らしいカーライフを追求してきた“Ms”さん。
そんな生粋のクルマ好きが2026年、新たな相棒として選んだのは意外にもスズキ スーパーキャリイの特別仕様車「Xリミテッド」だった。このモデルが発売されたのは2026年1月。納車は4月だったというが、手元に届くやいなやリフトアップとホイール交換を敢行した。
一見すると仕事グルマの代表格ともいえる軽トラック。しかし、その選択には長年クルマと付き合ってきたからこそ辿り着いた明確な理由があったのだ。休日になれば仲間たちと日本海へ向かい、ロングボードを積んでサーフィンを楽しむ。時にはキャンプへ出かけ、自然の中でゆったりと過ごす。そんな趣味の時間と日々の仕事を、1台で成立させるクルマが欲しかったのだという。
「結局、一番使えるクルマって何だろう?」
そう考えた時に浮かび上がった答えが軽トラックだった。濡れたウエットスーツは気兼ねなく荷台へ放り込める。泥だらけになっても水をかければすぐに洗える。狭い路地や海沿いの細い道でもスイスイ走れる。そして維持費も安い。
かつて所有していたアメ車のバンは積載力こそ抜群だったが、海沿いの細い道やサーフスポットの奥まで入っていけず、不便を感じる場面も少なくなかったという。実用性だけを考えても魅力的だったが、“Ms”さんが選んだのは、そのなかでも小窓付きキャビンを備えるスーパーキャリイだった。
決め手はキャビンの広さと使い勝手である。シート後方には十分なスペースが確保されているため、濡らしたくない荷物や買い物した荷物も安心して積み込める。さらにシートのリクライニングも可能で、長距離移動時の疲労も軽減してくれる。荷物はしっかり積めるうえに、乗用車のような快適性も備えているのだ。
まさに仕事と遊びを両立するための1台だったのである。

車高アップでスーパーキャリイをアウトドアで使い倒す仕様に!
ただ乗るだけでは終わらないのが“Ms”さん流である。納車直後からカスタム計画はスタートしていた。
「派手なカラーが良くて、オレンジ一択でした」
そう語る通り、選んだのは鮮やかなオレンジのボディカラーだ。ルーフにはディーラーオプションのハードカーゴ製キャリア、荷台にはベッドラックを装着し、アウトドアテイストを強調している。また、ブラックのフロントグリルやサイドデカールは、購入したXリミテッドに標準装備される特別な意匠。もともとの個性を生かしながら、自分らしいスタイルへと仕上げている。
そして、そのベース車両をさらにアウトドア仕様へ進化させるべく選んだのが、サスペンションパーツなどを手がけるACC製のイージーアップ(リフトアップスペーサーキット)だった。約1.5インチ(約35mm)車高を上げることで、軽トラックとは思えない力強いスタイルを獲得している。
じつは相談を持ちかけた当時、ACCにはスーパーキャリイ用の設定はなかった。しかし「せっかくなら作ろう」というメーカー側の熱意もあり、専用品の開発がスタート。その後、見事に製品化へとつながったという(スーパーキャリイ用イージーアップ:6万500円/消費税込)。
オーナーの熱い一声が、新たなラインアップ誕生のきっかけになったわけだ。見た目はワイルドになったが、乗り心地は純正同様に快適とのこと。日常使いのしやすさを犠牲にしない点も、この仕様の魅力だろう。
足回りには、ナイトロパワーM7(14×4.5J)のホイールとMONSTA(モンスタ)製のRT(ラギッドテレーン)タイヤを組み合わせることで、オフロードテイストを演出しながらも日常使いでの快適性をしっかりと確保している。
「ディスクが少し張り出しているデザインが気に入ったんです」
そう語るホイールカラーはバレルブラック。ボディ各部に配されたブラックパーツとの統一感も意識したという。タイヤはロードノイズを考慮してRTを選択。それでいてゴツゴツしたワイルドな雰囲気は欲しかったそうで、その狙いは見事に的中している。見た目だけではなく、使い勝手まで含めて綿密に計算された仕様なのである。
そして、このクルマのなかでもとくにオーナーらしさが表れているのが、フロントのスズキエンブレムだ。純正のメッキではなく、あえてJA11型スズキ「ジムニー」純正のホワイトエンブレムを流用している。
「絶対に白のほうが似合う」
そんな直感を形にしたワンポイントは、派手ではないものの確かな存在感を放っている。現在はフロントのバンパーガード製作も計画中。さらに内装もシートカバーの装着など、まだまだ手を加えていく予定だという。

完成形はまだ先。だからこそ、このスーパーキャリイは面白い。
だが、このスーパーキャリイはすでに“Ms”さんの理想へ向かって走り始めている。海へ向かう道中も、仕事現場へ向かう朝も、きっと同じように楽しいはずだ。趣味専用車でもなく、仕事専用車でもない。人生を思い切り楽しむための道具として選ばれたスーパーキャリイ。
長年さまざまなクルマを経験してきたオーナーが最後に行き着いた答えは、決して派手なスポーツカーでも高級SUVでもなかった。使い倒せて、遊び倒せる。そんな軽トラこそが、今の“Ms”さんにとって最高の相棒なのである。


















































