公認3ナンバーのワイドボディと湾岸ウイングで武装した日産「180SX」が、まさかのオートマ仕様で走り屋を煙に巻く!
真っ赤なボディに巨大なブリスターフェンダーをまとい、4000~6000rpmでピークパワーを発揮するグリップ仕様の日産「180SX」。一見すると硬派なチューンドだが、その正体はオートマチック仕様だ。S14型「シルビア」用タービンで武装した1台を紹介する。スターキッズが手がけたこの個体は、見た目の迫力とトランスミッションのギャップで、見る者の予想を裏切る。
(初出:ヤングバージョン1995年5月号)
公認3ナンバー化したワンオフのブリスターフェンダーが最大の見せ場
このクルマの決定打は、ぐっと張り出したワイドボディだ。製作したスターキッズは、ワンオフ(この1台限りの意味)のブリスターフェンダーで車体を仕立て直し、公認の3ナンバー登録まで取得している。ベースとなったのは日産 180SX。型式はRPS13、SR20DET型ターボエンジンを積む後輪駆動のスペシャルティクーペだ。
ボディには、アウトレット型のエアロボンネットやミラー、直付けのリアスポイラーなど、Dスピード製のパーツが組み込まれている。足まわりにはオリジナルサスを採用し、フロントには日産「スカイラインGT-R」(R32型)用の4ポッドフロントキャリパーを移植した。タイヤはBBSのM5をチョイスし、フロント225/45、リア245/45の16インチで武装する。パテ埋めで丁寧に仕上げたボディと相まって、迫力ある面構えに仕上がっている。
S14型タービンとアペックス制御で武装したエンジンは4000rpmから本領を発揮
エンジン内部はノーマルのまま、周辺チューンで戦闘力を引き上げている。日産 S14型シルビア用タービンに強化アクチュエーター(ターボの排気制御を担う駆動装置)、オリジナルの強化インテークパイプ(吸気経路の変形を抑え、安定した吸気とレスポンス向上を実現する強化パイプ)、444ccのメインノズルを組み合わせる。さらにアペックスのブーストコントローラー(ターボの過給圧を調整・制御する装置)と燃料コントローラー、エアクリーナー、トラストのプラグへと変更した。インタークーラーはARCのスタンダードタイプ2にすることで、冷却効率を高めている。
取材スタッフが走らせてみると、4000~6000rpmの間がもっとも気持ちいい。当たりはマイルドながら、トルク感は十分。5周ほど全開にしてもタレてこない。タイトコーナーではアンダーが強めに出るものの、見た目の印象より速い。ちなみに、サーキットを走り込んでも安定したフィーリングを保つという。
マフラーはアペックスのメガホンDunk、出口は130φの迫力サイズ
排気系は、アペックスのメガホンDunkを採用する。出口径は130φという迫力あるサイズだ。これにオリジナルのフロントパイプも組み合わせている。低速から高回転までよどみなく吹け上がり、ワイドボディの押し出しに見合った排気サウンドを響かせる。
真っ赤に統一されたインテリアと、走り屋を裏切るオートマチック仕様
このクルマ最大の意外性は、トランスミッションにある。これだけ武装したルックスでありながら、駆動を司るのはオートマチックだ。ステアリングからバケットシート、フロアマット、クラスターリッドまで、内装は赤系で統一されている。各種コントローラーや追加メーターも整然とレイアウトされ、まとまりのよい空間に仕上がっている。フラットなトルク特性とオートマの相性は予想以上によく、誰でも気軽に速さを引き出せる1台に仕上がっている。

【AMWノミカタ】
今回紹介した真っ赤な日産「180SX」は、AMWを運営する交通タイムス社がかつて発行していたチューニング誌『ヤングバージョン』1995年5月号に掲載された1台だ。同誌は当時の走り屋カルチャーを伝えた月刊誌である。記事を読み返してみると、ATが今ほど高性能ではなかった30年前に、これだけのチューニングを施しながら純正の4速ATを残した点にまず驚かされる。そのうえマッシブなブリスターフェンダーと湾岸ウイング(湾岸スポイラーとも言う)をまといながら、グリップ仕様に仕立てたセンスにもグッとくる。派手なルックスとは裏腹に、中身はしっかり走らせるための1台。走り屋のマシンは目立ってナンボだと、あらためて再認識させられる。
































