日産R35GT-R開発ドライバーが独自に追い求めるGT-Rの理想の姿とは (2/2ページ)

常にボディがフラットで走行できるよう知恵を絞る

 R35に施したセッティングの方向性は、姿勢変化を極力抑えたフラットな体勢を維持することだ。加速、制動、旋回とどんなときにもボディが水平状態を保てるようにすることが、クルマの理想的な動きであると認識している。タイヤの接地荷重を常に4輪で同じ状態にするメリットはとてつもなく大きい。

 鈴木代表にそれを気付かせたのが油圧アクティブサスペンションの開発だ。その昔、古いCカーをベースに常に油圧の制御でボディを水平状態に保てるシステムに取り組んでいた。富士スピードウェイでのテスト走行では、異次元のフィーリングでコーナーを駆け抜けた。当時のBコーナーで高性能なタイヤを履いた現役のレーシングマシンよりも速かったほどだ。しかし富士を3周しただけで不具合が生じてテストは終了。その開発車両をドライビングしたのは鈴木代表だけで、衝撃的な走りを体験した唯一の人物となった。今でもクルマを仕立てる基本的な味付けは、そのときの体感を思い出して活用している。

 平成25(2013)年にR35の開発からは手を引いたが、愛車には相変わらず自分なりに手を入れて進化させている。もちろん合法でのモディファイが大前提で、そのノウハウは惜しみなくユーザーのR35にもフィードバックする。

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開発当時は叶わなかった理想のRを具現化する

「どうすれば乗りやすくなるかを、常に自分への課題にしています。このクルマもフロントとリヤのメンバーを細工してアームの取り付け位置を変えているんです。それで随分とクルマの動きは好転しました」 

 オイルやブレーキパッドは純正品を使っている。開発時に徹底的に使い込んでいるので、どこの領域までなら耐えられるかを把握しているからだ。走行会レベルならば十分に対応できる。高性能を謳っている製品はメリットと引き換えにデメリットもある。純正品はそれらよりも確実にバランスに優れている。

「自信を持って推奨できるほど真剣に開発したという自負があります。当時、水野さんに指摘したのに『時間と予算がない』と却下された懸案は、今少しずつ具現化しています」

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 サブタンク付きで純正の電子制御にも対応する、リバウンド側を重視したビルシュタインのダンパーをはじめ、より大きなダウンフォースを稼ぐためのアンダーパネル、さらにはオリジナルのレカロシートなど、今だからなし得る製品で果敢に理想型に近付けている。

 R35を知り尽くしている鈴木代表のモディファイには説得力があり、多くのヒントが隠されている。

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鈴木利男代表 GT-R PROFILE

■所有車両:R35GT-R

■年式:2007年式

■乗り始め時期:2007年12月

■現在の総走行距離:3万9,014㎞

■現在の車両スペック

エンジン:強化ピストン/コンロッド/NordRingエンジンルームシュラウド/エンジンカバー/スペックV純正マフラーテール

電子パーツ:NordRing ECM

足まわり:NordRingビルシュタインダンパー/フロントメンバー/リヤメンバー取り付け位置変更

エクステリア:NordRingボンネットフード/フロントリップスポイラーセット/フロントマスクカバー/フロントバンパーフィニッシャー/ヘッドライトフィニッシャー/フロントフェンダー/アウトレットカバー/ドアミラーカバー/ピラーカバー/リヤバンパーアンダーセット/トランクリッド/リヤウイングセット

インテリア:NordRingレカロ/パネル/サイドシルカバーセット

ホイール:スペックV純正(F 9.5J×20+45 R 10.5J×20+25)

タイヤ:BSポテンザRE-71R(F 255/40R20 R 285/35R20)

パワー:約600ps

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