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初期型の日産「R35GT-R」のメンテナンス&チューニングの絶対条件とは? プロショップがお教えします(前編)

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TEXT: GT-Rマガジン編集部  PHOTO: 渡部祥勝

ライトチューンで600psのパワーが手に入るのもR35の魅力

 ブーストアップは純正タービンの限界を考えると最大で1.2kg/cm2まで。R35の場合、これで600psまでは対応する。

「これ以上のパワーとなるとインジェクターの交換も必要になってくるので、チューニングの第一段階としてはこれで十分だと思います」と浜原代表。

 第2世代GT-Rの場合、ブーストアップというと専用のコントローラーなどが必要だったが、R35はコンピュータのセッティングですべてこなせる。浜原代表は街乗りを重視して、2000~3000rpmでグッとくるような味付けをするそうだ。すべて現車合わせでセッティングを施すというのも拘りだ。

「コンピュータを現車合わせにするのは個体差があるからです。吊るしのデータを入れると空燃比が濃くなったり薄くなったりするので、やはりシャシダイと実走で合わせるのがウチのやり方ですね」

 ちなみに、ブーストアップでも200km/hまでは一気に出せる。富士スピードウェイのような直線であれば、300km/hに迫るスピードも可能とのこと。となると、街乗りがメインならばパワー系はこれで十分と言えるだろう。

「パワーを上げると今度は足まわりをやりたくなると思います。街乗りに絞るならば四輪ホイールアライメント調整もしっかりとやりたいですね。R35はノーマルでもキャンバーがマイナス1.4度程度ついているので片減り(内減り)が激しいのです。アッパーアームを交換して、キャンバーを起こすとタイヤを長持ちさせることもできますよ」

R35GT-Rのアライメント調整にはシムを噛ませる方法もある

ユーズドで購入する場合は素性にも注意してほしい

 足まわりを見直すなら、ブレーキも同時に進めたい。最低でもローターを交換するべきだと浜原代表は語る。

「ノーマルのドリルド(穴開きタイプ)はサーキットなどを走るとクラックが入ります。スリット入りなどに交換すれば安心です」

 よほどの目的がないならば、R35のチューニングはこれくらいで留めておくのも大いにありだ。街乗りがメインならば600psを使い切るシチュエーションなどないだろう。R35はイジる前にトランスミッションの対策が必須だが、それさえ済めば比較的簡単にパワーアップを楽しめると浜原代表は勧める。

「ただし、中古でR35を購入した場合はしっかりと点検したほうがいいです。このMY08(2008年モデル)も販売時にはトランスミッションの対策済みといいながら、中を見たらなにもやっていませんでした。データロガーを見ればある程度は簡単にわかりますよ」

R35GT-Rのウイークポイントの一つがブレーキローター。穴の開いていてないスリットタイプの社外品もある

まずはブーストアップがR35チューニングの第一歩

 同じく注意するのは社外コンピュータが付いていた場合だ。

「なぜか意図的に電動ファンを常時100%の力で回すようセッティングしているお店があります。これはトラブルの元。ずっと回っているとモーターが焼き付いて壊れてしまいます」

 いくつか注意事項はあれど、ブーストアップまでなら道のりは遠くない。

「この先となるとタービン交換やエンジン本体という話になり、それは全く異次元の世界になります。本当はエンジン内部まで手を加えるとおもしろいんですよ。エンジンオーバーホールとなれば、メタルのクリアランスやクランクのバランス取りでレスポンスが全然変わって来るのです。200km/hから先も一気に加速していくから気持ちいいですね」

 タービン交換からエンジンチューンまで、異次元の世界を楽しむ術については後編で展開する予定だが、やはり一般的にはブーストアップで十分のようだ。浜原代表流のセッティングで、街乗りでも低・中速から楽しめる仕様を作ってくれるだろう。

(この記事は2020年4月1日発売のGT-R Magazine 152号に掲載した記事を元に再編集しています)

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