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プロ直伝「GT-R」に長く乗るためのメンテポイントとは? 第2世代日産「スカイラインGT-R」はどれもシビアな状況だった!!

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TEXT: GT-R Magazine 野田航也  PHOTO: 大西 靖

プロが教える点検と予防整備の重要性

 第2世代Rと呼ばれるR32、R33、R34は最初期のR32スカイラインGT-R誕生から2022年で33年が経つ。それでも未だ人気は冷めやらず、大切に乗り続けている人が少なくない。そんなオーナーを悩ませているのが経年劣化と純正部品の製造廃止。大ダメージを受ければ乗り続けることも難しくなる。そこで、第2世代GT-Rが置かれている現状と、乗り続けるための「予防整備」について、修理および整備をメインに施工するプロショップ『目黒メンテナンスサービス』に直撃。目黒眞也代表にトラブル回避の極意を聞いた!

第2世代Rは今、シビアな状況に置かれている

 日産ディーラーのメカニックを7年、GT-Rをメインに扱うチューニングショップで6年間チーフメカニックを務めた後、平成13(2001)年に独立して自身の店舗『目黒メンテナンスサービス』を立ち上げた目黒眞也代表。速くするためのチューニングよりも、安心して長く乗り続けるためのメンテナンスを重視するそのスタンスは、創業から21年経った今も変わらない。基本的に目黒代表が責任を持ってすべての作業を実施するため、今も多くのGT-Rオーナーが施工の「順番待ち」をしている人気店だ。

 GT-RをGT-Rらしく乗り続けるために今やるべき予防整備について聞いてみると「すでに第2世代GT-Rにはまともな個体がなく、そのすべてがシビアコンディションだと思ったほうがいいですね」とショッキングな言葉が告げられた。

 もっとも古い最初期のR32で33年、最終型のR34でも20年。新車からそれだけの期間が経過していることを考えれば、目黒代表の言葉は決して大袈裟でない。フルノーマルだろうがチューニング済みだろうが、また走行距離の長短も関係なく「普通のクルマはない」という。

エンジンが壊れたら1年以上作業待ちも!

「オリジナルを維持しているノーマルで走行も少ないからといって、状態がいいとは限りません。むしろ、部品の交換歴が少ないほうが錆によるボルト/ナットの固着など、分解整備をするのが大変なケースが多いです。最近は3年、4年放置していたというGT-Rが入庫することが増えてきたのですが、どれも悲惨な状態ですね」と現況を語る。整備を生業としているだけに、これまでさまざまな症例と向き合ってきた目黒代表。今もっとも危惧しているのは、エンジン関係のトラブルだという。

「純正部品が値上がりしている昨今、エンジンを壊すととにかく高く付きます。シリンダーブロックが割れてしまったケースなどは最悪です。価格云々以前に、純正ブロックが納期未定で、発注から1年以上が経過しても入荷しない状況です。そのため、本体を損傷するような深刻なトラブルを抱えると、最低でも1年以上は作業ができません」では、そうならないための「予防整備」としてどんな対策が考えられるだろうか?

R32、R33、R34それぞれの弱点を知る

「まずはクルマの健康診断を定期的に受けることです。年に一度、できれば半年に一度は点検を受けることをお勧めします。いわゆる一般の法定点検に加えて、GT-R特有の不具合をひと通り診断することで、トラブルを未然に防ぐことができます。型式別で言うとR32は唯一バッテリーがエンジンルーム内にあるので、配線やターミナルが傷みやすい傾向にあります。エンジンの力が抜けた感じになるときがあるとか、ハイキャスのワーニングランプがたまに点くという場合はターミナルの劣化が疑われます。それらは電圧不足による症状なので、バッテリーやオルタネーターを交換しても改善されません」

「R33は第2世代では一番不具合が少なく、R34で目立つのは点火系のトラブルです。パワートランジスタ内蔵のコイルが採用されているため、熱の影響で壊れやすいです。R32やR33でもR34のコイルを流用している場合は注意が必要です」と目黒代表は語る。

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