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ホンダ初代「フィット」はなぜ200万台も売れたヒット作になった? 世界に認められた画期的なエンジニアリングを紹介します

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎七生人/本田技研工業

フランスのハッチバックの名車をイメージして開発

 搭載エンジンは23km/Lの低燃費を実現した1.3Lのi-DSIエンジン。ツインプラグの2点位相差点火制御、8コイル点火システムを採用、燃焼室のコンパクト化に寄与するバルブ挟み角を30度とした設計も。それまでのホンダの1.3Lエンジンに対し前後長で-118mm、トランスミッションを含めた幅で-69mmと、新しいコンパクトカーにふさわしい、小型・軽量設計のエンジンだった。トランスミッションにはホンダマルチマチックSと呼ぶCVTが組み合わされた。

 サスペンションはフロントがストラット、リヤがトーションビームというシンプルで王道の組み合わせ。とはいえハンドリング、安定感、乗り心地のよさにもこだわっていた。ちなみに初代フィット登場時に開発責任者だった松本宜之LPL(当時)にインタビューする機会があったが、「開発のイメージにあったのは、若い頃に乗ったプジョー205のスポーティで軽快な走り」だったという。一見するとコンパクトでベーシックな実用車だったが、開発エンジニアのそんな快活な思いも込められたクルマなのだった。

「モビリオ」など派生車種も豊富に展開した

 なお初代フィットには、同車をベースにさまざまな派生モデルも生まれた。日本市場向けのモデルでいうと「モビリオ」(2001年12月)、「モビリオ・スパイク」(2002年9月)、「フィット・アリア」(2002年11月)、「エアウェイブ」(2005年4月)などがある。

 モビリオはフィットとは打って変わった箱形のボディでホイールベースを2740mm(フィット+290mm)と長くとり、3列・7人乗りのミニバンとしたもの。欧州の路面電車をイメージしたというデザインで、ファミリー向けに親しみやすさをアピールしていた。その5人乗り版がモビリオ・スパイクで、リヤクォーターを窓埋めしたユニークなスタイルの「秘密基地」をテーマに、趣味やレジャーの用途を想定して生まれたクルマだった。

 フィット・アリアは車名のとおりフィットをベースに仕立てた3ボックスセダンだ。ホイールベースはベース車と共通の2450mmながら、500Lの容量の独立したトランクをもち、コンパクトなセダンのニーズに対応。後席はハネ上げて使うこともできた。エアウェイブは2550mmのホイールベースで仕立てた5名乗り。ミニバン風のルックスを活かし、最大で1136L(2名乗車時)のラゲッジスペースを誇るなど、使い勝手のよさをアピールしていた。

* * *

 フィットは2020年に4世代目に進化し、一方でミニバンクラスでは「フリード」が相変わらずの人気を保っている。コンパクトクラスのいわば「ご自宅用」のクルマとしてユーザーの生活スタイルに根づいているクルマで、その源流のひとつになったのが初代フィットなのだった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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