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BMW新型「M2」はMTでこそ乗るべき! もと先代M2オーナーだからわかる新型の進化の度合いを紹介します

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: BMW AG

内燃機関を操る喜びを十分に味わわせてくれる

国際試乗会はアメリカ・アリゾナ州スコッツデールで開催された。アメリカ生産のSUVモデルと同時開催だったのは、2シリーズもまたメキシコ生産だから。それはともかく、キーを受け取りホテルのパーキングに向かうと、薄いグレーや渋いレッドの先にひときわ明るく存在をアピールする淡いブルーのM2が数台停まっていた。

近づいてみれば、ど迫力のマスクはもちろん、その膨れ上がった前後フェンダーの異様さにまずはたまげる。M240でもすでに相当な骨太クーペだったのに、新型のM2は輪をかけてボリューミー。それもそのはず、ボディサイズはとっくにE46を通り越し、V8 NAを積んでいたE92 M3よりさらに大きいのだから。こうなると、筆者の好ましいサイズ感からは少し外れてしまいそう。

さらに驚かされたのはフロントのタイヤサイズで、なんと275/35の19インチ。間違ってリア用を履いたのと思ったほど。筆者の乗っていたF87のリアタイヤで265/35ZR19ちゃうかったっけ! ちなみに新型の前後タイヤサイズは日本仕様のM3/M4スタンダードモデルと変わらない(リアは285/35ZR20)。つまりはそういうことなのだ。

最新のM3/M4からわずか30ps落ちの同じS58エンジンを積んだ、言ってみればM4 SWB(ショートホイールベース)。それが新型(G87)M2というわけだった。

実際に駆ってみれば、そういう雰囲気に満ちている。街乗りではソリッドな乗り心地がいかにもM4ぽいし、比べてさらに激しく感じることさえあるのはSWBゆえだろう。それでも加速する時間が増すにつれて乗り心地からカドがとれ、しまいにはビーズの波をくぐっているかのようなライドフィールに包まれる。高速クルーズもなかなかのもの。

M2の走り

驚いたことに、あれだけでかいタイヤ(とくにフロント)を履いているというのに、低速域からすでに違和感なく動く。そんなに太いタイヤと両腕がつながっているようにはまるで思えない。ドライブモード設定でさまざまなキャラクターへと変更可能だが、いずれのモードでもタイヤの大きさを不用意に感じさせるような瞬間はなかった。

車体全体の心地よさを増幅するのがS58エンジンの役目というもので、流石の力強さと官能フィールでドライバーを鼓舞し続ける。回せば回すほどに足元から腰へと一体感の密度が高まっていく感覚こそ、よくデキたエンジンの賜物で、内燃機関を操る喜びを十分に味わせてくれる。

なによりマニュアルギアボックスの仕上がりが良かった。シャシー制御とともに先代M2から大幅に良くなったと思える点だ。先代のMTはエンジンの官能性と手足を駆使する楽しみだけで買わせていた。肝心のMTそのもののフィールは節度感に欠けていて、決してシフトレバーの操作性そのものが気持ちいいとは思えなかったのだ。それがかなり改善されている。なるほどすでにこのクラスでも2ペダルの方が「速い」。MTの役目は速く走らせることではなく、楽しく走らせること。マニュアルフィールの改善は新型M2の「売り」になると思う。

●BMW M2
ビー・エム・ダブリュー エムツー
・全長:4580mm
・全幅:1887mm
・全高:1403mm
・ホイールベース:2747mm
・車両重量:1725kg
・エンジン形式:直列6気筒DOHCツインターボ
・排気量:2993cc
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:6速MT
・最高出力460ps/6250rpm
・最大トルク:550Nm/2650-5870rpm
・0-100km/h:4.3秒
・最高速度:250km/h
・公称燃費:10.2-10.0L/100km
・ラゲッジ容量:390L
・燃料タンク容量:52L
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)フィックス6ピストン、(後)1ピストン
・タイヤ:(前)275/35ZR19、(後)285/30ZR20
(欧州仕様/6速MT)

12
  • M2の走り
  • M2のS58エンジン
  • M2フロントマスク
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