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なぜHKSは内燃機関の先進技術をいまも開発するのか? 「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」で実物を見てきました

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

F1GPやSUPER GTにも使用されているプレチャンバー

プレチャンバーに関しては、まず副燃焼室を設けて噴射した濃い混合気に点火。その火炎で本燃焼室に噴射した薄い混合気に着火するというアイディアは、1970年代の初めにホンダがCVCCエンジンで実践していましたが、最近ではF1GPや国内のSUPER GTなどでも使用されている(らしい)技術です。

具体的な加工方法は、プラグホールを利用するというもので、その分、プラグはひと回り細いものにコンバートするようです。そのためにもバルブを放射状にレイアウトするラジアルバルブは有効なようで、この手法で日産のRBエンジンを使ってテストを続けている、と話してくれました。

排気ガスのエネルギーを有効活用したターボ・ジェネレーター

一方、ターボチャージャーで有名なHKSらしい出展パーツもありました。それがターボ・ジェネレーターです。一般的にターボと言えばターボチャージャーを示していて、これはエンジンの排気ガスを使ってタービンを回し、そのタービンと同軸上にあるコンプレッサーを使ってエンジンに過給しパワーアップを図ろうというもの。

ターボ・ジェネレーター

つまり排気ガスのエネルギーを有効活用することになるのですが、HKSで開発したターボ・ジェネレーターとは排気ガスでタービンを回すのはターボチャージャーと同じですが、ターボ・ジェネレーターの場合はタービンと同軸上にあるジェネレーター(発電機)を回して発電するというシステム。

もちろんこれも排気ガスのエネルギーを有効活用しているわけです。プレチャンバー+ラジアルバルブもそうですが、HKSが目指しているのは内燃機関の高効率化。

2030年(以降)にガソリンエンジンなどの内燃機関を搭載したクルマが販売されなくなったとしても、使用過程車=それまでに販売されたクルマはその後も使用され続けることになります。つまり、現行の内燃機関搭載車のカーボン・ニュートラル化が必要になるので、カーボン・ニュートラル燃料への対応に加えて、内燃機関の高効率化を進めていく、というのがHKSの想いのようです。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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