わずか1年間で、約470万円の価値が上乗せされてしまいました
今回RMサザビーズ「Villa Erba」オークションに出品されたBMW M4 CSLは、「フローズン・ブルックリン・グレー」のボディに、ブラックのインテリアの組み合わせ。ドイツ国内マーケットに150台のみ正規導入されたうちの1台とされている。
ミュンヘン郊外ガルヒンクのBMW M専用ファクトリーからラインオフされたのち、2022年8月22日に、今回の出品者である「The M Power Collection」名義で初登録。それ以後は同コレクションの所有となってきた。
添付される記録簿によると、新車点検とランニングイン作業は2022年9月14日に行われた。同時に7000ユーロを超える費用を投じ、PPF(プロテクションフィルム)加工が施されたことも記されているようだ。
RMサザビーズ欧州本社の制作した公式オークションWEBカタログでは、オドメーターの示すマイレージはまだ6006kmに過ぎないこと、そして「驚異的なパフォーマンスと真の希少性を両立させたこの記念モデルは、50年にわたる素晴らしいMカーへのトリビュートとしてふさわしいものである」と文言も誇らしげにうたわれていた。
G82系M4 CSLは、日本に25台が正規輸入され、国内発表の直後にBMWオンラインストア限定で抽選販売。新車時の消費税込み販売価格は2196万円だった。いっぽう生産国ドイツを含む、EUマーケットでのベーシック価格は12万5900ユーロ(税・オプション別)だったとのことである。
そして、ワールドプレミアと抽選受付スタートからちょうど1年後、この5月20日に行われた競売では15万8700ユーロ、現在の日本円に換算すれば約2470万円で落札されることになったのである。
わずか1年前に抽選から漏れて、あるいはタイミングが悪くて入手がかなわなかったBMW M愛好家にとっては、新車価格からほぼ3万ユーロ(約470万円)増しというハンマープライスも、決して法外ではない。ある意味、理にかなったものと判断された……ということなのだろう。