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ロータス「エラン」オーナーの普段の足は「エキシージ」! どうして「ヨーロッパ」から増車したのでしょうか?

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循

コーリン・チャップマンが生んだライトウェイトスポーツカーの名作

新潟県で2026年の開通を目指し工事が進められている難所越えの新観光ルート「八十里越街道」。今からその機運を盛り上げていこうと、2023年7月30日(日)に開催されたのが「いい湯らてい夏フェス」だ。「ノスタルジックカー展示」と題されたヒストリックカーのパレードラン&展示イベントには県内から、年式も国籍も異なる21台のヒストリックカーが集まった。今回は、ブリティッシュ・ライトウェイトスポーツカーの名作ロータス「エラン」で参加したオーナーに話を伺った。

中学生の頃から英国車クラブのメンバーとして活動

「年の離れた従兄弟がミニ クーパーSに乗っていたので、少年時代から自然と英国車に親しんでいました」

と語るのは、ロータス エラン シリーズ3で今回のイベントに参加した“白銀号”さん。

「その従兄弟が英国車のクラブに所属していたことから、私もそのクラブのメンバーに入れてもらいました。といってもその時はまだ中学生だったので、もちろん免許もクルマも持っていません。でも、ツーリングに連れて行ってもらったりクラブの会報の表紙用のイラストを描いたりと、中学生なりに英国車クラブ・ライフを楽しませてもらいました」

7年前にヨーロッパにくわえてエランを増車

ミニ以外にも、オースティン「ヒーレー スプライト」のマーク3、バンデン・プラ「プリンセス」(ADO16)などさまざまな英国のヒストリックカーに囲まれて多感な10代を過ごした白銀号さんが、免許を取り趣味のクルマを手に入れることを決めたとき、その対象に英国車を選んだのはごく自然な流れだったろう。

「このエランは7年ほど前に知り合いが乗っていたものを譲り受けたんです。その時点ですでに1972年式のロータス ヨーロッパ スペシャルに長く乗っていて、そちらのヨーロッパもとても気に入っていたクルマでしたので、結局“増車”というかたちでこのエランを自宅に迎え入れました」

エンジンまわりは適度にチューンして乗りこなす

淡い水色のボディが印象的な白銀号さんのロータス エランは1967年式。ドアにサッシが備わり、日常の使い勝手が大きく向上したシリーズ3だ。ドライバーズシート後方にロールバーが追加されている以外はごくノーマルにも見えるが、よく見るとタイヤ/ホイールと車体のクリアランスなど、全体に引き締まったスタンス。

「見た目はノーマルですが、じつはハイカムやハイコンプ・ピストンなどで“ちょいチューニング”しています」

きちんと手が入れられた隙のないヒストリックカーというものは、少しも古さを感じさせず、むしろ静かな迫力すら湛えているものだが、このエランもまた然りである。

普段のアシは21世紀ロータスのエキシージ

最近ではツーリングやヒストリックカー・イベント参加などがメインとなっているという白銀号さんのロータス エラン。

「このエラン、ちょい乗りにも使うのですが、普段のアシにはロータス エキシージを使うことが多いですね」

と、さりげなく話すものだから、こちらも「たしかに現代のクルマは楽ちんですからねぇ」などとフツーに返したものの、よく考えてみれば白銀号さんの家は、ロータスだらけなのである。少年時代からの英国車趣味、年季の入ったロータス道もここに極まれりというべか。まさにご同慶の至りである。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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