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17年FDを所有した彼女がマツダ「RX-7」にひと目惚れしたのは「リトラがパカッと開くところ」でも最近はトヨタ「GR86」も気になっちゃう理由とは

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

そもそもなぜ彼女がFDの虜になったのか?

そこまでして井さんがマツダRX-7の虜になったのは、当時のある出来事がきっかけ。そのクルマとの出会いは夕刻時だった。

「ポジションランプが光っている、印象的なクルマが停まっていたんです。そのクルマが私とすれ違う瞬間に、ヘッドライトをパカっと開いて走り去って行ったんです! 独特の丸みを帯びたボディデザインとか、全てがカッコよく見えました。あのクルマはなんだ? と気になって調べていたら、FDだと分かったんです。いや、厳密に言うと暗がりだったので、もしかしたらFDじゃなかったのかもしれません。180SX? それともMR2か? 今となっては調べる手段がありませんが、でもアレは、私にとってはFDで間違いなかったんだ! と、自分自身に言い聞かせています(笑)」

リトラオープン

長い人生、時には激しい思い込みも大切である。もしかしたら、本当に勘違いだったかもしれない。でも井さんは、その初期衝動をきっかけにして、マツダRX-7という希代の名車に辿り着き、しかもそれを17年間も所有するという運命に恵まれたのだから。

人生最後の伴侶として選んだはずなのにまさかの展開が

「私は、このFDみたいに、丸くてヘッドライトが隠れているクルマが好きなんです。NDロードスターも、なんとなくFDみたいな面影があるでしょ? この子は購入した時点ですでにこういう仕様になっていました。私がオーナーになってから変えたのは、シートとハンドル、そしてサスペンションですね。最初に付いていたのは、硬すぎてはねてしまい、クルマが壊れるんじゃないかと心配して変更したのです」

新たに購入した3台目のFDは、2002年式。井さんは、「今回の購入価格は、当時の新車価格を超えているのが信じられない」と語っていたが、RX-7に戻ってきたという安心感に満足している様子。ここまで紆余曲折あれば、さすがにこの子が人生最後の愛車になるのでは?

「購入時のお金に関しては頑張っていますが、乗り出して実感したのは、壊れる部分が増えているということです。修理代がかさむのが大変。収入の限界もありますから、正直、これが本当に最後のクルマでいいのかな? と悩んでいます。それと、同じFDを購入したものの、結局17年間所有した昔の愛車とこの子を比較してしまう自分がいるのです。そうなると、当たり前ですけど思い出の数が全然違う。この子をあと17年乗り続ければ同じような思いが沸くのかな、と考えてみたり。そんな事を悩んでいるうちに、またちょっと気になるクルマが見つかってしまったんです」

今まで、たくさんのFD愛を語ってくれていたのに、最終局面でのこの発言に驚かされたのは筆者だけではないだろう。ちなみに、この気になっているクルマとはトヨタ「GR86」とのこと。乗り換えにあたってお店との条件で金銭的なデメリットが一切ないことと、「新車なのですぐに壊れる不安がない」ということが主な理由だとか。

「FDに対しては、私の17年間の思いが強すぎなんですね。私はFDならば何でもいいのではなく、自分が乗っていたあの愛車が好きだったんだと気付きました。だから、同じFDでも乗ってしまうと当時の愛車と比較してしまうのが可愛そうだなと。GR86ならばそんな思いは割り切れるはずだし、壊れなくてお金もかからないから、そのストレスが無くなることも重要ですね。時間はあるので、もうしばらく悩みたいと思います」

クルマ好きの愛車遍歴には、それぞれの思いが詰まった歴史がある。井さんは、まさにその典型。紆余曲折を経たからこそ、愛車に対する自分の心理が理解できた。でも、これだけ行動的になれるオーナーさんは、素直に羨ましい。そしてその行動力が、今度どのような方向へと進んでいるのか。可能であれば、その後の顛末も知りたいところだ。

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