シトロエン仲間から8年前に引き継いだ2CV
堀口さんの2CVスペシャルは、フランス本国生産最後にあたる1988年式だ。
「この2CVは25年くらい前から仲間が乗っていたクルマです。同じ頃に私がCXに乗っていたため、同じシトロエンの仲間として、自分が乗らなくなったらその後を引き継いでもらいたいと、8年前に託されて私のところに来ました」
堀口さんがC5ブレークに乗っていた頃だ。前述の通り、国産スポーツカーではモディファイも楽しんでいた堀口さんであるが、2CVは一見したところノーマルの状態を保っている。
「仲間の愛車の頃から身近だったクルマです。機関以外の内外装に関しては刻んできた歴史があるので、ボディの凹みや塗装の退色などは手を入れずそのままにしています」
という付き合い方をしているそうだ。
「自分のところへ来てすぐの頃、走行中に3速に入れる動作で、シフトノブをまっすぐ手前に引いたら、レバー全体がシャフトごと、勢いよく抜けてしまいました。シフトレバーとミッションをつなぐリンケージが金属疲労で破断したのが原因でしたが、喜劇映画のワンシーンみたいでおかしかったです。その後は3速に入ったままのため、半クラッチを多用し、近くのホームセンターまで走って針金を買い、その場で応急処置をして帰りました。メカが原始的なので、子どもの工作レベルの修理でもなんとかなるのが良いところです」
と、トラブルも楽しんでいるようだ。
「純正のルーフキャリアが欲しいんです。もし手に入ったらカヌーを積んで水辺に行きたい」
空冷フラット4から気がつけば、空冷フラットツインにたどり着いて、まだまだ2CVとの時間を楽しもうとしている堀口さん、目を細めて語ってくれた。