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5ローターでマツダ「787D」が誕生! マッド・マイク選手が作った「787B」リスペクトのスペシャルマシンとは【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: トーヨータイヤ

  • 5ローターエンジン
  • マシンをお披露目したマッド・マイク選手
  • さながら本格レーシングカーのようなスタイル
  • 空気を取り込む5つのファンネルが迫力満点
  • 足元はもちろんトーヨータイヤ
  • 伝説の787Bを彷彿とさせるカラーリング
  • マッド・マイク選手が制作した787D
  • 搭載した5ローターエンジン

ル・マンを制したマシンの上を行く5ローター!

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「ロータリーエンジンのチューニング」についてです。ドリフトドライバーとして人気のマッド・マイク選手が、なんと5ローターのスペシャルマシンを製作したそうです。ロータリーエンジンのチューニング方法はレシプロエンジンとは異なる手法があるという。その魅力を語ります。

ローターを増やせばパワーアップ可能なのが魅力のひとつ

マツダのロータリーエンジンが「MX-30」に搭載され復活しました。ですが、かつてのように、それが発する動力を太いタイヤに直接伝達することで激烈な加速を得るのではなく、レンジエクステンダー式ハイブリッドの動力源として復活したのです。

レンジエクステンダー式ハイブリッドは、エンジンは駆動輪と直結していません。エンジンはバッテリーに電力をためる発電機としての機能であり、走りそのものは電気モーターに依存します。いわば、ロータリーが裏方となったのです。サバンナやRX-7のあの獰猛なダッシュ力を知る人たちにはやや寂しくもありますね。

ですが、ロータリーエンジンをいまだに強力なパワーユニットとして活用しているドライバーがいます。トーヨータイヤの契約ドライバーで、ドリフトで活躍するマッド・マイク(米国)が、「マツダ787D」と命名したスーパーカーを製作してしまったのです。

ロータリーエンジンにはレシプロエンジンが真似のできないメリットがあります。繭型のハウジングを積み重ねればパワーを増やすことができるのです。やや強引な表現になりますが、1ローターでも2ローターでも3ローターでも、比較的安易に排気量を増やすことが可能。シリンダーが上下運動する一般的なレシプロエンジンでも、単気筒、2気筒、3気筒……と増やすことも可能ですが、それはシリンダーブロックを新設計する必要があります。ところがロータリーは、積み重ねるだけでいいのです。

それが証拠にMX-30ロータリーEVは1ローターですが、RX-7は2ローターでした。過去には3ローターのユーノスコスモも市販されていました。日本車として初めてル・マン24時間を制したマツダ787Bは、4段重ねにした4ローターだったのです。マッド・マイクの「マツダ787D」は、なんと5ローターです。これは歴史上もっとも数の多いロータリーエンジンと言えるでしょう。

ちなみに、「マツダ787D」は、日本車として初めてル・マン24時間を制したマツダ787Bへのリスペクトでしょう。BではなくDとしたのは、彼がこのマシンでドリフトを戦うからだと推測します。

レンジエクステンダーハイブリッドのMX-30ロータリーEVでは1ローター、ル・マン24時間で勝利するためには4ローター、もっと過激なパワーを求めるのならば5ローター……。ロータリーエンジンはまだ無限の可能性を秘めているように感じます。近い将来、6ローターなんという化け物も誕生するかもしれませんね。

787D

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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