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アリゾナの砂漠に広がる火星のような光景! 巨大な「メテオ・クレーター」はアポロ計画でも使われていました【ルート66旅_36】

アリゾナの砂漠に広がる火星のような光景! 巨大な「メテオ・クレーター」はアポロ計画でも使われていました【ルート66旅_36】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • 駐車場からエントランスへ。砂漠化したのは隕石の衝突と関係ないそうだが、かつては緑の豊かな草原だったというのが信じられない
  • 個人経営とは思えないほど充実したミュージアム。カフェやギフトショップも併設しているので、何かしら記念になるお土産を買おう
  • 発見された隕石。余談だが福島県田村市にある星の村天文台では、ここで採掘した隕石の一部を使った刀「隕星剣」が展示されている
  • リムの一部には遊歩道が整備されており、手すりもあるので安全に見学できる。ただし日陰がないので夏は飲料を忘れずに持参しよう
  • リムから空中へ突き出した展望台。そこの平らな部分に見えるのは採掘坑だろうか。ちなみにクレーターを囲む崖も20~30mという高さ
  • 2014年3月。メテオシティ・トレーディングポストはすでに閉業していたが日はそれほど経っていなかったようだ。荒廃する前に撮影できた最後のキレイな姿かもしれない
  • インターステートと同化したルート66沿いに立ち、行き交うクルマを見守る巨大ドリームキャッチャー。これもすでに倒壊したとのこと
  • 落書きされた挙句バラバラに破壊された、世界最大のルート66マップが何とも悲しい。くだらないことをする輩は世界のどこにでもいる
  • 5万年前に起きた隕石の生々しい衝突跡。直径は約1.2kmに達し深さは約200mと、ビルに例えれば50階建てがすっぽり入るレベルだ
  • 赤い砂と岩に覆われ交通量も少ないメテオ・クレーターの周辺は、まるで文明が崩壊した後の火星に飛ばされたような錯覚にすら陥る
  • 写真は2013年の3月。珍しくひとり旅ではなく先輩カメラマンと一緒だったので、カメラを渡し大きな岩に登って撮影してもらった
  • アポロ11号の訓練用カプセル。アームストロング/オルドリン/コリンズ、3名の宇宙飛行士たちも実際にここで訓練を行ったとか

直径1.2キロ&深さ200メートルのメテオ・クレーターは必見

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、見どころの多いアリゾナ州へやって来ました。今回は地球の歴史を体感できる巨大な絶景スポット、「メテオ・クレーター」を紹介します。

約5万年前に起きた隕石の大衝突!

ヨーロッパが「人類の歴史」と呼ばれるのに対し、アメリカは「地球の歴史」だとも言われている。アリゾナ州ウィンズローから東へ約40kmの「メテオ・クレーター」で、約5万年前に起きた天変地異の痕跡を見てみよう。

隕石を意味するメテオという言葉から推察できるように、ここはかつて宇宙からの招かれざる使者が訪れた場所だ。事件が起きたのは旧石器時代の後期に当たる約5万年前。現在こそ荒涼とした砂漠が広がるアリゾナ州の北部は、緑の豊かな草原でマンモスやエレモテリウムと呼ばれる、古代の大型哺乳類が穏やかに暮らす楽園だったらしい。

そこへ強烈な閃光を放ちながら舞い降りたのが、直径30~50mとも推測される大型の隕石だ。落下のスピードは4万km/h以上と考えられ、地面に衝突するやいなや大爆発を引き起こす。爆心地では生物や植物を含むあらゆる物質が一瞬で気化し、衝撃は大地を深く掘り起こしながら周囲へと広がっていく。激突で生じた火球が燃やし尽くしたのは半径10km、さらに半径22kmまでの範囲を荒野に変えたという。

まさに映画『アルマゲドン』や『ディープ・インパクト』の世界だが、これほど大きな被害でも地球の環境に及ぼす影響はほとんどなかったとか。恐竜が絶滅した原因として有力視されている、約6600万年前の白亜紀の末に衝突した隕石は直径が10~15km。それに比べると直径1.2km&深さ200mの跡を残したとはいえ、100年後には動植物が暮らすまでに回復したメテオ・クレーターは、地球の規模で考えればさほど大きな事件ではなかったのだろう。とはいえリムに設けられた展望台から見下ろすクレーターは、スケールが大き過ぎて実際のサイズが分かりにくいほどだ。

なおメテオ・クレーターは別名をバリンジャー・クレーターといい、由来はこの一帯を買い取った鉱山技師ダニエル・モロー・バリンジャー。当初は火山の火口と考えられていたが隕石の衝突痕であると主張し、さらに隕石はもっと大きく地中に大量の金属が埋まっていると考えた。それらを発見し巨万の富を得ようと採掘を続けたが、現実は前述のとおり彼の予想をはるかに下まわり、しかも衝突の際にほとんどが蒸発していると判明。数十年にわたる苦労と資金がムダに終わったと知りショックを受けたのか、掘削の中止を決めた翌日にバリンジャーは心臓発作で亡くなってしまう。ただしクレーターを含む土地は現在も親族が所有しており、後に建てられた立派なミュージアムも当然ながら私設だ。

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