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マセラティ「MC20チェロ」長距離テスト! たとえるなら「ラグジュアリーなダラーラ ストラダーレ」でした

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: タナカヒデヒロ(TANAKA Hidehiro))/Maserati S.p.A.

ダイナミックな剛性はクーペと変わらず

落ち着きよく応答するフロントアクスルに腰応えも十分に粘るリアアクスル、それらを忽然一体と味わわせてくれる、カーボンボディによって生み出された滑らかな乗り心地と安定した高速クルージング性はクーペと同様だ。ドライブモードをGTもしくはウェットにさえしておけば、630psを誇るネットゥーノエンジンも静かに唸るのみ。

軽い車体と硬いボディ、それがゆえに気持ち良く働くアシのおかげで高速クルージングのみならず市中のドライブも快適だ。もっともルーフの剛性が落ちるぶん、乗り時にやや雑味が生じていた。クーペの乗り心地が硬いモデルの場合、スパイダーでは肩の力が抜けて心地良くなるケースがままあるのだけれど、MC20の場合、GTカーとしてもクーペの完成度は高い。乗り心地という面ではクーペの方が全般的な評価としては優っている。

もっともそんなことは山坂道でのドライビングを一度楽しんだなら、いとも簡単にトレードオフできる。いつものワインディングロードに出かけてみれば、相変わらず水を得た魚で、リズミカルに流れるようなドライビングを楽しむことができる。その上、空が見え風を感じるのだ。サイコー。

ここで初めてスポーツモードにスイッチ。これまでの静けさが嘘のような爆音を響かせ、ダイレクトな変速で電光石火の加速をみせる。風を感じるぶん、より一層スリリング。ステアリングフィールはソリッド感に溢れ、ハンドルを通じて両腕と前輪とがダイレクトにつながっているかのよう。カーボンボディゆえ、ルーフを開けていてもダイナミックな剛性はクーペと変わらず、さらにトラクション性能も抜群だから、どんなコーナーでも安心して踏んでいけた。もちろんブレーキフィールの良さも特筆できる。

オープンになって、よりダラーラ ストラダーレの乗り味に近づいた。MC20チェロはラグジュアリーなダラーラである。

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