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『あぶない刑事』の名脇役は日産「セドリック」! 元「レパード」オーナーだからわかった引立て役としての黒パトの大切さとは?

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)

  • シルバーだった個体をブラックへと全塗装。そのまま美しい状態が保たれており、まるで新車のような輝きだった
  • フロントオーナメントも、SGL用フラットタイプへと変更
  • リアのエンブレムもSGL用へと交換済み。SGLは排気量2000cc、V型6気筒ターボエンジンのVG20ETを搭載
  • 「朽ち果てていた」というマフラーは、純正タイプでワンオフ製作してくれる静岡県の業者に依頼して完成
  • ターボブロアムのハンドルはラジオなどのスイッチ類が搭載され、独特のポストデザインが特徴だった
  • シートなどは本来のターボブロアム仕様のまま。この高級感は黒パトには不要か!?
  • ドア内貼りには新車当時からのビニールが残されていた。前オーナーがどれだけこの個体を大切にしていたのかが証明されている
  • 無線機は定番のマランツ製で、劇中車仕様を再現
  • 当時の劇中車はエンケイ製を使用していたそうだが、同型ホイールが入手できなかったため、似た雰囲気のホイールを探し出したという
  • 2021年に発売されたトミカリミテッドヴィンテージNEO/あぶない刑事シリーズの日産「セドリック HT V20ターボSGL(黒)」。吉井さんにとって待望の商品化であり、迷うことなく購入したそうだ
  • カセットデッキもSGL用を搭載
  • 吉井浩一さんの愛車、1984年式 日産セドリック ターボブロアム
  • 主役を引き立てる名脇役。フロントグリルのエンブレムは、SGL用に交換されている

レパードを引き立てる脇役が必要だと思った

2023年11月4日に岡山県玉野市にある道の駅、みやま公園で開催された「レパードオープンミーティング2023」の会場で、2台の日産「レパード」に挟まれて並ぶ、日産Y30型「セドリック」の存在が気になりました。『あぶない刑事』ファンにとって、レパードが必要不可欠であることは当たり前。しかし、それだけではないもう1台の黒パトカー。これこそが、歴代の人気刑事ドラマにおいて、必ず主役のそばにいた引き立て役。オーナーである吉井浩一さんに、Y30セドリックを迎えた思いを尋ねました。

18歳でレパードを購入し、王道を突き進んだ青春時代

この1984年式Y30型セドリックのオーナーである吉井さんも、再放送で『あぶない刑事』を楽しんだ世代だった。ドラマに登場していた「レパード」に惹かれ、免許取得後18歳にして念願のレパードオーナーに。そしてそのまま、この主役車を相棒としてカーライフを送るつもりが、気付いたらこのサブキャラ扱いのセドリックのオーナーになっていたのだった。

「最初に購入したのは、1989年式の後期型、排気量2000ccのレパードXSでした。色は黒の2トーンで、アルティマ仕様で楽しんでいたのですが、どうしても本物が欲しくなってしまい。結果的に、1991年式の後期型アルティマ、ノンターボの黒2トーンへと乗り換えたのです」

程度が良い個体だったため、トラブルもなく楽しめたけれども、諸事情により手放すことに。その後、再びレパードに乗りたいという衝動に駆られたそうだが、それと同時に子どもの頃に憧れた「黒いパトカー」への思いが再燃。

「冷静に考えてみたら、Y30型セドリックの方がF31型レパードよりも古いのだから、順番としてはセドリックが先に無くなってしまうよね? レパードのイベントに行くと主役はいっぱいいるけど、それを引き立てる脇役も必要だよね? レパードの隣にセドリックがいたら、一緒にイベントを楽しむ人たちとの世界観が、より面白くなるのでは!?」

吉井さんが通称「黒パト」のベースを探すことになったきっかけは、こんな思いからだったのだ。

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