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フェラーリ「F512M」が5000万円オーバー!「テスタロッサ」の倍の相場価格は501台の希少性と最終進化形だから!?

フェラーリ「F512M」が5000万円オーバー!「テスタロッサ」の倍の相場価格は501台の希少性と最終進化形だから!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

やっぱり看過できない? F512 Mの希少性

先ごろRMサザビーズ「PARIS 2024」オークションに出品されたのは、1994年から1996年の間に製造されたF512 Mの中でも最終期にあたる、1996年にマラネッロ本社工場をラインオフした個体。

ドイツ・バイロイトのフェラーリ正規代理店「アウトハウス・イセルト(Autohaus Isert)GmbH」社のオーダーにより、「ロッソコルサ(レーシングレッド)」のボディカラーに「ネロ(黒)」本革レザーのインテリアを組み合わせた、もっとも根強い人気を誇るカラーリバリーで仕立てられた。

古い時期のヒストリーについては明かされていないものの、2015年11月に現オーナーのもとに譲渡され、1カ月後には1万3097ユーロ相当のメンテナンスとサービスを受けたことが判明しているようだ。

また、2016年9月には「フェラーリ・クラシケ」の認定を受け、レッドブックのコピーをヒストリーファイルで確認することができる。2018年5月にはさらに1650ユーロに相当する作業が、シュトゥットガルト近郊ベーブリンゲンに本拠を構えるフェラーリのオフィシャルディーラー「ゴーム・ベーブリンゲン(Gohm Böblingen)」社で行われた。

そしてオークション出品直前の2024年1月には、同じフェラーリのワークショップに戻され、合計9128ユーロの整備を受けた。これらの履歴については、車両に添付されるオーナーズマニュアルと、8つのスタンプが入ったサービスブックが証明している。

RMサザビーズ欧州本社は、出品者である現オーナーとの協議のうえ、25万ユーロ~35万ユーロという、かなり強気かつ範囲の広いエスティメート(推定落札価格)を設定。

そして迎えた1月31日、パリ・ルーヴル宮の「サル・デュ・カルーゼル」を会場として行われた競売では、エスティメートに届く30万8750ユーロ、日本円に換算すると約5030万円という、出品者側およびRMサザビーズ側にとっては想定内の落札価格で、ぶじ競売人の掌中の小槌が鳴らされることになった。

ルックス上の変更点では好き嫌いが二分するF512 Mながら、やはり7177台が生産されたというテスタロッサの相場の約2倍、2280台の512TRに対しても大幅に高い相場価格は、この最終モデルが圧倒的に希少であること。あるいはフェラーリの名作テスタロッサ・ファミリーの最終進化形であるという歴史的事実が、現在のマーケット相場価格にも影響を与えているということなのであろう。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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