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トヨタ「GRスープラ」は直6より直4が面白い! ただしMTにこだわるのなら「RZ」一択しかありません

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: AMW

  • GRスープラのインパネは水平基調となっている
  • 3L直6エンジンを搭載する「RZ」
  • 2L直4エンジンを搭載する「SZ-R」
  • 3L直6エンジンを搭載する「RZ」
  • ロングノーズショートデッキのスポーツカーのお手本のようなスタイリング
  • GRスープラ「SZ-R」は「RZ」に比べてエンジン単体で比較すると約50kgも軽量だ
  • コーナーリングスピードも速い
  • 2019年に登場したGRスープラ

下りのワインディングなら「SZ-R」のほうが楽しい!

2019年にリリースされたGRスープラはBMWとの協業で生まれた1台です。同車は3Lの直6エンジンを搭載する「RZ」と2L直4の「SZ-R」「SZ」をラインアップしています。パワーや排気量だけを目にすると「RZ」の方が良さそうに見えますが、じつは2L直4モデルも意外と評価が高いのをご存知でしょうか。その理由を説明します。

約50kgも直4モデルの方が軽量になっている

GR86、GRヤリス、GRカローラなどラインアップが充実しているトヨタのGRシリーズ。フラッグシップモデルのGRスープラはスーパーGTの参戦車両でもあるが、ストリートではなぜか影が薄い存在に……。BMW「Z4」と兄弟車で、オーストリアのマグナ・シュタイヤー社で生産されているため、なんとなく国産スポーツのカラーが弱かったり、当初ATモデルしかなかったことなどがネガティブな要素だったかもしれないが、Z4の「M40i」より、スープラ「RZ」の方が約150万円も安く、冷静に考えるとバーゲンプライスなクルマだともいえるだろう(それでも「RZ」の新車は730万円もするのだが……)。

さて、そんなGRスープラには直6エンジンを搭載した「RZ」と直4エンジンを積んだ「SZ-R」/「SZ」がある。直6は3Lで、直4は2Lと排気量が違うため、動力性能だけで比較すれば、直6の「RZ」が387ps、「SZ-R」が258psと大きな差が見られる。だが、走る場所によってはむしろ「SZ-R」に軍配が上がるケースもあって、単純に「RZ」の方がスポーツカーとして「上」とは言い切れない。

というのは、3Lの直6エンジンはパワフルだが重たく、2Lの直4エンジンはアンダーパワーでもコンパクトだからだ。フロントにエンジンを搭載するFRのGRスープラは、エンジンの重さが走りに大きく影響する。直6のB58B30Bと直4のB48B20Bをエンジン単体で比較すると、約50kgも直4の方が軽量だ。

BMWのスポーツカーは伝統的に前後の重量配分が50:50になっているが、GRスープラで重量バランス50:50を実現しているのは、直4の「SZ-R」の方となっている(RZも一応、50:50となっているが、それは人が乗車したときの設定)。実際に「SZ-R」は、ノーズが軽く、1460kgもあるのに軽快感も残っているのが魅力的だ。

GRスープラの開発担当だった多田哲哉氏自身も次のようにコメントしていた。

「(ヨーロッパの)アルプス越えでは、RZとSZ-Rは甲乙つけがたかった」

フロントが50kgも軽ければ明らかによく曲がり、コーナリングスピードも速く、パワーが低いのに同じ幅のタイヤを履いているため、SZ-Rの方がより積極的にアクセルを踏んでいくことだってできてしまう(RZは19インチ、SZ-Rは18インチだが、ハイトのあるタイヤの方がトラクションはかけやすいし、ハンドルもより切り足せる)。少なくとも下りのワインディングなら、RZよりSZ-Rの方がより楽しく走れるのは保証できる。

車体こそ大きく見えるが、GRスープラのホイールベース・トレッド比は1.55と、フェラーリ458イタリアの1.58より小さく、素性はかなりコーナリングマシン(ロータスエリーゼは1.53)! その素性の良さを活かすのなら、フロントの軽い直4モデルがベターで、ピュアなFRスポーツとして楽しむのなら、SZ-Rに軍配が上がるのは間違いなしだ。

AMWノミカタ

鼻先が軽くてワインディングが楽しい直列4気筒を選ぶのなら、現在はSZ-RとSZを選ぶことになるが、8速ATしかラインアップがない。パドルシフトでのドライビングも楽しいが、せっかくならMTで操る感覚を満喫したい人には、6MT搭載のRZ一択となってしまう。BMWもパワーのあるストレートシックスではなく、非力な直4をMTで操るほうが断然楽しかった。GRスープラにも直4+MTの組み合わせを望んでしまうのは、クルマ好きの戯言であろうか。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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