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沖縄の美しい海と道をたどる「ジーロ・デッリゾラ沖縄」とは? 戦前車からスーパーカーまで31台が駆け抜けました!

沖縄の美しい海と道をたどる「ジーロ・デッリゾラ沖縄」とは? 戦前車からスーパーカーまで31台が駆け抜けました!

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 武田公実(TAKEDA Hiromi)

「大人の修学旅行」をテーマに沖縄という土地への理解を深める3日間

「ジーロ・デッリゾラ沖縄」で特筆すべきは、走行ルートの美しさが国内イベントでは最高ランクに属することである。大海を横目に走るシーサイドコースはもちろん、それ以外の内陸部のどこを走っても風光明媚な情景が眼前に広がる。もちろん第2回を迎えた今回も、沖縄の風光明媚な景色を存分に楽しめるよう、3日間ともに極上のロケーションが選りすぐられていた。

まず大会初日となる3月8日(金)は「宜野湾マリーナ」の特設会場からスタートしたのち、ラリーの要であるP.C.競技(一定区間の通過タイムを0.1秒単位で競う競技)が、沖縄では数少ない常設サーキット「モータースポーツマルチフィールド沖縄」にて行われる。

そのあとは、世界遺産「勝連城跡」を一望できる広場に、エントリー車両全車をずらりと並べてBBQランチを楽しんだのち、海に面した「海中道路ロードパーク」で再びのP.C.競技。そして「ぬちまーす製塩ファクトリー」なども訪ねた。

いっぽう2日目となる9日(土)には、今回のイベントでもっとも注目すべき行程が含まれていた。このラリーでは単にドライブを楽しみ、P.C.競技でスキルを競うだけにはとどまらず、沖縄の歴史にも触れてほしいとするオーガナイザーの熱意から、「平和祈念公園」や「糸数アブチラガマ」にて公式ガイドつきツアーに参加。第二次世界大戦における沖縄戦の惨禍に、想いを馳せることになった。しかも、そのあとには在留米軍の嘉手納基地を訪れるなど、過去と現在の沖縄の現実を今いちど実感する機会が設けられていたのだ。

さらに、この日の夜には沖縄を代表する大人気観光スポット「美ら海水族館」の巨大水槽前でガラ・ディナーが開催され、ジンベエザメやマンタを眺めつつの夕食を楽しみながら、沖縄の夜は更けていった。

そして最終日となる10日(日)は、水族館に隣接する宿泊ホテルからスタート。本部近辺の「平和創造の森」公園で最終P.C.競技を終えたのち、世界遺産「今帰仁城跡」を見学。古宇利島でのランチタイムを経て、宜野湾マリーナのゴールに向かうことになった。

今回も、交通渋滞とは無縁に近い巧みなコース設定が功を奏して、クラシックカーにとっても快適なドライブ環境だったからだろうか、3日間のラリーでは大きなトラブルに見舞われることもなく、日曜日午後には、全エントリー車両とドライバー/コ・ドライバーたちが、満面の笑顔でゴールへと戻ってきた。

また、多くのエントラントたちから沖縄という土地への理解と愛が深まったことを聞かされ、このイベントの趣旨が間違いなく共有されていたことを実感したのである。

* * *

蛇足ながら、筆者は1997年にイタリア本国のミッレ・ミリアを初めて訪れたのち、日本国内・海外を問わず数多くのクラシックカーラリーを取材してきたほか、自らドライバーおよびコ・ドライバーとしてエントリーしたこともあるのだが、それらの経験を踏まえてみても「ジーロ・デッリゾラ沖縄」の楽しさは国内最上級のものと断言してしまいたい。

とくにこの第2回からは、矢口実行委員長は「大人の修学旅行」というイベントコンセプトを打ち立てたとのことで、沖縄にルーツを持つという彼女の郷土愛が随所に感じられた。そして、そんな沖縄愛を支えたスポンサーやスタッフたち、そして何よりエントラントたちの熱意によって素晴らしいイベントとなったことに、心よりの賛辞を贈りたいのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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