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トヨタ「ノア」「ヴォクシー」に高級路線の「エスクァイア」があったの覚えてる? 「マークII三兄弟」の再来と呼ばれたのは一代限りでした

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: TOYOTA

  • 2001年に登場したトヨタ初代ヴォクシー
  • 2001年に登場したトヨタ初代ノア
  • 2017年にマイナーチェンジしたトヨタ3代目ヴォクシー
  • 2017年にマイナーチェンジしたトヨタ3代目ノア
  • 2017年にマイナーチェンジしたトヨタ エスクァイア
  • 2022年1月に販売を終了したトヨタ エスクァイア
  • 今もファミリーに絶大な人気を得ているトヨタ ノア
  • ノアから人気ナンバーワンの座を奪うほど躍進したトヨタ ヴォクシー

トヨタを代表するファミリーミニバン三兄弟

トヨタの「ファミリーミニバン三兄弟」といわれると、「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。長男・次男のノア/ヴォクシーは今でも大人気の車種ですが、三男・エスクァイアは約2年前の2022年1月に販売を終了しています。この三兄弟車はどのようなクルマだったのでしょうか。

それぞれが魅力的な個性を持つ

トヨタのミニバン「NOAH/ノア」と「VOXY/ヴォクシー」は2022年1月、約8年ぶりにフルモデルチェンジして4代目へとシフト。およそ2年前までは、ノア/ヴォクシー/エスクァイアがトヨタの「ミニバン三兄弟」と呼ばれ親しまれてきた。しかし、高級路線の末っ子「Esquire/エスクァイア」は2021年12月に生産を終了し、2022年1月に販売終了。その後のラインアップは、ノアとヴォクシーの兄弟車へと変化した。

あらためて、ノア/ヴォクシー兄弟の歴史を振り返ってみよう。ノアの先代モデルにあたるクルマは「タウンエース ノア/ライトエース ノア」に遡る。両車で採用されていた後輪駆動から、「イプサム」のプラットフォームを活用した前輪駆動へ転換。バンからミニバンへと仕様変更を果たすべく、低床化によるスライドドアを備えたモデルとした。また、両側スライドというのもポイントになった。

初代ノア(R60G型・2001年~07年)は、2001年11月に誕生した。タウンエース/ライトエースの名が取り除かれ、当時トヨタカローラ店の販売車種が「ノア」(旧タウンエース)、ネッツ店の販売車種が「ヴォクシー」(旧ライトエース)へ改名された。

トヨタ家に同時に生まれた双子のような兄弟は、見た目のキャラクター、中身の性格も少し違っていた。ミニバンの王道を行く「堂々感」あふれる兄・ノアと、「少しやんちゃな毒気」で男らしさを主張する弟・ヴォクシー。作りそのものは兄弟そろって優等生ミニバンであり、それぞれのオーナーの趣向に合わせて選べるスタイルが、若いファミリー層に絶大な支持を得た。

長男と次男で人気が逆転した

次に、2代目(R70G/W/R型・2007年~2014年)以降も、成長する兄弟の両車は正常進化し続けた。続いて、3代目(R80G/W型・2014年~2021年)では、さらに広々としたインテリア空間設計や低燃費の実現も果たしてきた。

ノアとヴォクシーの違いは、ユーザーたちの人気にも表れていた。新車販売の実績を元に見ると、初代が発売された当初2001年から人気を集めたのは兄・ノアだったが、4年後の2005年頃から形勢が逆転し、弟・ヴォクシーが優位に立つ。2代目となった2014年以降は次男・ヴォクシーの独走状態で、新たに高級路線の三男・エスクァイアが追加されたにもかかわらず、3代目ヴォクシーが多くのファンを魅了したのだった。

三男・エスクァイア(初代 ZRR8#G/ZWR80G型・2014~22年)を振り返ると、3代目ノア&ヴォクシーの発売に遅れてトヨタ店・トヨペット店向け兄弟車として登場。5ナンバーサイズのミニバン兄弟をベースに、より上質感や高級感を持つMクラス高級ミニバンとして新しく生まれたモデルだった。

マークII 三兄弟以来の人気者

クルマに詳しい人なら覚えていると思うが、かつてこのミニバン三兄弟以前に、バン三兄弟が存在した。それが「タウンエース三兄弟」の名で親しまれた「タウンエース/ライトエース/マスターエース」だ。この歴史の系譜が復活したことは、本当に喜ばしいことで、当時も話題になった。

大家族のトヨタ家系を見渡せば、1980~1990年代に一世を風靡した「マークII三兄弟」以来の人気者ともいわれたことを思い出す。

新たにラインアップに加わったエスクァイアの車名については、英語「Esquire」=男性向け敬称の意味に由来する。しかし、そんな期待とは裏腹に1代限りの短命となり、残念ながら2022年1月に販売を終了してしまう。そのため、今後も引き続き、ノア/ヴォクシーの人気争いに注目が集まるだろう。

現行型・4代目(R90W型・2022年~)のノア/ヴォクシーは、洗練されたデザイン、先進装備、価格・燃費性能などを徹底的に比較し、どっちが自分の好みに合っているのか……ぜひ購入前に検討してみてほしい。似ているようでじつは細かく見ていくと全然違うのが、ノア/ヴォクシーの面白いところである。

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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