ディーラーがオーダーした色は赤だった
今回RMサザビーズオークションに登場したモデルは1955年製で、もともとペイントコードDB534と呼ばれたファイアーエンジンレッドという外装色にブラックレザー(954)の内装で、ニューヨークのメルセデス・ベンツディーラーがオーダーしたものだ。
「ガルウイングレジストリー」に記載されている最初のオーナーは、デラウェア州ウィルミントンのセオドア・ソルティス氏。その後、ペンシルベニア州マンハイムのヘンリー・K・ミーリックJr.氏が譲り受ける。彼は後にランカスターのサーブ&ボルボディーラーとなり、当時のクェーカーステート・ヒルクライムの常連でもあった。その後も数名のニューヨーク州のエンスージアストがオーナーとして名を連ねた。
そしてデュッセルドルフのエーリッヒ・レンハルト氏がこのクルマを購入したことで母国に戻ることとなり、彼の元で最初のレストアを受けた。1998年に再びアメリカに戻り、テキサス州マーシャルのスポーツカー・コレクター、ジーン・ポンダー氏が所有。彼は8年間この300SLを所有し、2007年にカリフォルニアの有名なヴィンテージ・メルセデス・ベンツの愛好家、トーマス・タフェット氏に売却、そしてこの10年間はデールトゥドリーム・コレクションで保管されて来たものだ。
デールトゥドリーム・コレクションでは300SLのスペシャリストであるルディ・アンド・カンパニーによってレストアが施され、外装はDB180のペイントカラーでシルバーに仕上げられた。このカラーリングはラルフ・ローレン・コレクションのものと同じである。インテリアもブラックレザーからピッグスキングレイのブラウンレザーに変えられた。
もちろんシャシーとエンジンのナンバーはマッチしており、それだけでなくボディとフロントアクスルおよびリアアクスルもナンバーマッチの確認が取れている。ギアボックスだけはリプレイスされた「003165」というナンバーのものが装備される。現在は最も人気の高いオプションであるレプリカのラッジホイールと、インテリアにフィットするラゲッジセット、それにアンダーカバーのセットが装備されている。
エスティメート(落札予想価格)は、160万ドル(邦貨換算約2億5880万円)〜200万ドル(邦貨換算約3億2350万円)が設定され、実際の競売では、エスティメート下限を少し上回る165万5000ドル、約2億6420万円で売却されたとのことだ。
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