定期的なメンテナンスが施された1台
カナダで登録されている、シャシーナンバー07730、エンジンナンバー11855、ギアボックスナンバー2912のディーノ246GTSは、ボディを含めいずれもナンバーマッチしており、2019年にフェラーリ・クラシケに認定されている。2.4Lエンジンを積みルーフが取り外し可能な246GTSはシリーズIIIとなった1972年以降1974年まで製造されたもので、シャシーナンバー07730は最終年の1974年1月に完成し、アメリカ向けモデルとしてマイル表示のメーター、パワーウインドウ、エアコンが装備されている。
アメリカではキネッティ・ガースウェイトによってディストリビュートされ、イリノイ州レイクフォレストのクナウズ・コンチネンタル・オート社に割り当てられたこのクルマは、ノースカロライナ州アッシュビルのブルナー・アンド・レイ社に新車として販売された。
その後10年間で、さらに2人のオーナーを経て、1984年にイリノイ州ジョリエットの著名なコレクターである、ビル・ジェイコブス氏に買い取られた。その時点では、走行距離は700マイル未満だったと言う。しかし、ジェイコブス氏はすぐにこのクルマをシカゴのマイケル・レベンサル氏に売却。そして彼が35年の長きにわたりこの車を所有し続けたのである。
クルマに付随する書類は保証書に始まり、1985年までのサービス請求書、フェラーリ・ブランドのエキスパートであるマルセル・マッシニによる履歴レポートなどがある。そしてレベンサル氏はディーノを約10年間保管した後、再びデイリーユースとし、その後は定期的に整備しながらあまりドライブしなかった。記録された走行距離が徐々に増えていくことから6597マイル(1万616km)という走行距離はオリジナルのものであると考えられる。
ボディは再塗装、シートは張り替え済み
2020年1月にデア・トゥ・ドリーム・コレクションに売却された後、このクルマはロッソ・キアーロのオリジナルカラーでベアメタルから再塗装され、デイトナスタイルのシートは新しいパッドと革張りでリビルドされている。メカニズムは2022年にロサンゼルスのGTOエンジニアリングによって一連のメンテナンスを受け、オルタネーターとレギュレーターがリビルドされた。
RMサザビーズでは、50万ドル〜60万ドル(邦貨換算約7770〜9325万円)のエスティメート(落札予想価格)を掲げていたが、近年少し落ち着いたとはいえ特に上昇傾向にあるフェラーリ各モデルの価格を反映してか、日本円にして約1億2000万円を超える77万5000ドルで落札されている。







































































