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苔むした放置物件を300万円かけて再生! オンボロ「デロリアンDMC-12」が米国からパーツを取り寄せ蘇った…「次元転移装置」も装備!?

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • デロリアン DMC-12:ボディは無塗装のステンレスで覆っているため、サビが見当たらない
  • デロリアン DMC-12とオーナーの“T”さん(左)
  • デロリアン DMC-12:ボロボロの状態から約1年を費やして修復作業を完了させた
  • デロリアン DMC-12:個性的なデザインは、イタリア・カーデザイン界の巨匠であるジョルジェット・ジウジアーロ氏が手がけた
  • デロリアン DMC-12:基本的にオリジナル状態を再現している
  • デロリアン DMC-12:フロアもシートもボロボロだったが、約1年を費やして修復作業を完了させた
  • デロリアン DMC-12:ステアリングは純正品を装備している
  • デロリアン DMC-12:MT車のRR式。思っていた以上にギビキビ走ってくれるそうだ
  • デロリアン DMC-12:クラシックなルーバーを採用。個性的なテールライトを装備する
  • デロリアン DMC-12:室内に未来のタイムマシン装置「次元転移装置」に似せたユニットを追加
  • デロリアン DMC-12:アメリカ本国から必要なすべての部品を調達。部品代は250万円、運送費用は船便で50万円かかったという

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でおなじみの名車「DMC-12」

ハリウッドのSFアドベンチャー映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でおなじみのデロリアン「DMC-12」。この姿を見るだけで、ワクワクした気持ちになる人は多いでしょう。このDMC-12は元ゼネラルモータース(GM)の役員だったジョン・デロリアン氏が、自らの理想のクルマを作りたくて生み出しました。そんなDMC-12に乗るオーナーの愛車を見ていきます。

ボロボロだけど手頃な価格のDMC-12を発見

デロリアン「DMC-12」のデザインはイタリア・カーデザイン界の巨匠であるジョルジェット・ジウジアーロが手がけ、ボディはFRPの表面を無塗装のステンレスで覆うという斬新な構造を採用している。エンジンはアルピーヌ「A310」と共通の2.8L V型6気筒をリアに搭載。RR方式のスポーツカーとして誕生したスポーツモデルである。

数多く存在するスーパーカーのなかでも、世にも不思議な魅力を持っているのがDMC-12。そんなクルマを今から6年ほど前にボロボロの状態で購入し、修復して走れるように再び蘇らせたのが千葉県在住の“T”さんだ。

昔からジウジアーロがデザインしたクルマに魅力を感じ、ロータス「エスプリ」、マセラティ「メラク」、いすゞ「ピアッツァ」などが大好きだと話す“T”さん。DMC-12にも興味を持ち、いつかは愛車にしたいクルマ候補リストに入れていた。しかし、現在は映画の影響もあり、程度の良い個体は高値で取り引きされている。とても買えるような額ではないため、程度の良さは諦めてボロボロでも手頃な価格で販売されている個体があったら買おうと思っていた。そんなとき、外装も内装も程度の悪いのDMC-12があるという情報を入手。車体を見に行くと、売り主ですら「こんなボロを買ったら大変だぞ」と言うくらいヤレていた。

アメリカ本国から必要なすべての部品を調達

かなり損傷はひどく、内装はステアリングが芯しか残っていない状態。天井、ダッシュボードは捲れあがって、フロアもシートもボロボロだった。ただ、ボディだけは再生可能。コケや汚れの付着が酷かったが、外装はステンレスで覆われたボディのおかげでサビの無い状態であったのが救いだった。

“T”さんは、修復に必要な部品がアメリカ本国で現在も購入可能であることを事前に調べていた。そのため、程度の悪いのDMC-12であっても、ある程度の修復は可能。その判断から購入を決め、格安で夢のデロリアンを手入れることができたと話す。

購入後は車体を全部バラして交換部品をリストアップし、アメリカ本国に連絡して部品調達した。細かいパーツまで含めると膨大な量になったが、驚くことにすべて用意可能だったという。

「アメリカのクルマに対する愛情の深さと偉大さを感じる瞬間でした」

と“T”さんは話す。ちなみに部品代は250万円、運送費用は船便で50万円ということだった。

RRならではのキビキビした走りを堪能

“T”さんは、約1年を費やして修復作業を完了させた。その過程で映画に登場したDMC-12が頭から離れず、室内に未来のタイムマシン装置「次元転移装置」に似せたユニットを遊び心で追加。

「これがあると、このクルマを見る人が笑顔になるんです」

と話してくれた。

旧世代のスーパーカーであるDMC-12はルックスだけでなく、あまり語られない走りも気になるところ。そこで、“T”さんに走行フィーリングについて聞いてみると、RRのレイアウトから思っていた以上にキビキビ走ってくれるそうだ。

「ハンドリングはとてもよく、スポーツカーとして楽しめるポテンシャルを持っています。エンジンは絶好調ですがシフトリンケージに問題を抱えていて、これを修復すればもっと気持ちよく走れますね」

ということだった。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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