2024年シーズン最大の悔いとは
──フェラーリのオフィシャル・ドライバーたちが数々のレースや選手権で重要な役割を果たした今シーズンも、いよいよ幕を閉じます。
コレッタ:彼らはフェラーリをサーキットで走らせるだけでなく、ブランドを世界レベルで代表する卓越したプロフェッショナルです。フェラーリとドライバーたちとの関係は特別なもので、彼らの活躍とともに達成した結果に満足しています。来シーズンも引き続き6人のドライバーたちをオフィシャルドライバーとして起用することも決定しています。
耐久レースで我々とともに重要な役割を果たした他のドライバーたちにも感謝の意を表したいと思います。アレッシオ・ロベラは、急速に主要ドライバーのひとりとしての地位を確立しつつあり、ダビデ・リゴンとロイック・セラは今までの経験を生かして激しい戦いを繰り広げ、素晴らしい結果を残してくれました。
若手ドライバーたちも明らかに成長しています。リル・ワドゥは、スーパーGTを経験し、トーマス・ノイバウアーは、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパで一流のライバルたちと競い合うチャンスを得ました。
──今シーズン最大の悔いはありますか?
コレッタ:スパ24時間レースでのアクシデントと、FIA世界耐久選手権のイモラ6時間レースでタイヤ交換を行うタイミングを誤り、その代償を払うことになったことです。しかし、チームはつねにミスから学び、さらに強くなってコースに戻ってくると確信しています。
2025年の活動にも期待
──進化するプログラムの中でも、フェラーリ・ハイパークラブは際立っており、顧客にユニークな体験を提供していますね。
コレッタ:フェラーリ・ハイパークラブ専用ラウンジ「カーサ・フェラーリ」は、特別な体験を提供するものです。この素晴らしい施設は、サーキット内の重要なブレーキングゾーンに位置しています。ここから顧客はドライバーたちを応援し、拍手を送ることができます。今後も顧客のために多くのアクティビティを企画しています。
──2025年の目標を教えてください。
コレッタ:マニュファクチャラーズ選手権の獲得を目指し、競争力を維持することです。この場を借りて、耐久レース活動における成功の鍵を握るパートナー、そして多大な支援をいただいているスポンサーに感謝申し上げます。2025年には再びサーキットに戻り、さらなる歴史的偉業を目指して戦うことで、そのご厚意に報いたいと思います。
AMWノミカタ
今回のインタビューの最後に語られている「フェラーリ・ハイパークラブ」とは、「ラ フェラーリ」、「FXX-K」、「F40」、「F50」、「エンツォ・フェラーリ」などの特定のモデルを所有するオーナーを対象とした特別なクラブ。ル・マン24時間レースなどではコースのベストポジションに特別に設えられた「カーサ・フェラーリ」で期間中いつでもレースを観戦できるほか、レースに関連した専用トラックデイやドライビングセッションなどで自身のクルマをドライブする特別な機会も提供される組織である。
フェラーリ・ハイパークラブの設立の目的は、フェラーリがこのクラブを通じてレース会場においても単なるクルマの販売以上の特別な体験や価値を提供し、顧客満足度を高めることと、顧客が「フェラーリファミリー」の一員であるという感覚を持てるようにするロイヤリティの醸成にあるという。どのブランドも同じようなサービスを提供するが、コミュニティの中に明確なヒエラルキーを作る方法はフェラーリならではのユニークな試みである。
2024年はル・マン24時間レース、デイトナ24時間レースで優勝し、素晴らしい年となった。2025年もフェラーリファミリーを喜ばせる熱いレースを期待したい。