インテリアはカーボンファイバーの精巧な仕上げ
ブラックバッジ ゴースト シリーズIIは、ガラス製フェイシアの下とインテリア全体に、丹念に仕上げられたテクニカルカーボンを採用している。職人たちは、ブラックのボリバル・ウッドをベースに、カーボンファイバーとメタルファイバーで複雑でありながら控えめなダイヤモンド・シェイプの織り合わせ方を考案。
樹脂コーティングされたカーボンとコントラストの効いたメタルコーティングされた糸で編み込まれたリーフ模様は、ダイヤモンド模様に手作業で敷き詰められ、立体感を生み出している。その後、各パーツは100℃の圧力下で1時間硬化させた後、表面をサンドブラストし、光沢のある仕上がりになるまで磨き上げられる。
AMWノミカタ
どれも鮮やかでロールス・ロイスらしい斬新な色使いが特徴であるが、とくにブラックバッジ ゴースト シリーズIIのラグジュアリーと精悍さのバランスに心を奪われる。エクステリアの精悍さだけではなく、標準モデルよりも29ps多くのパワーと50Nm多くのトルクを発生するさらに強力なV12ハイパワーエンジンを搭載してきているところにも、単なるコスメティックの変更でバリエーションを増やしたように見せかけるようなことはしない、ブランドとしての良心を感じることができる。
ブラックバッジ ゴースト シリーズIIのホームページには「内なる反骨精神を解放せよ」という刺激的なコピーが使われている。ロールス・ロイスというクルマはもはや保守本流を象徴する成功者のためのクルマではなく、あらゆる限界に挑戦し、今を生きる人生のチャレンジャーたちに向けて作られているように思える。創設者たちの飽くなき挑戦のスピリットは120年後の現代にも生き続け、そしてそれが本気だからこそ、目の肥えたオーナーにも共感を得ているのであろう。