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日本一の称号を獲得!『グランツーリスモ7』で活躍する若きホープ・林 龍之介選手にインタビュー。スケボーとも共通するeスポーツの魅力とは

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TEXT: 横倉 典(YOKOKURA Tsukasa)  PHOTO: 横倉 典(YOKOKURA Tsukasa)

  • さまざまな大会に積極的に参加し、賞を受賞している林 龍之介選手
  • 高校生3年生である林 龍之介選手。学校から帰宅後、6〜7時間ひたすら練習に時間を割いている
  • 『グランツーリスモ7』の魅力は「運転の楽しさや場所を越えた仲間とのコミュニケーション」だと林 龍之介選手は話してくれた
  • 「Honda Racing eMS GT Grand Final 2023」のU17クラスで優勝を果たした林 龍之介選手
  • 「Honda Racing eMS GT Grand Final 2024」のU17クラスで林 龍之介選手は2位を獲得した
  • 林 龍之介選手(左)と父親の林 恵一氏(右)
  • 林 龍之介選手(左)と父親の林 恵一氏(右)
  • 高校生3年生である林 龍之介選手。学校から帰宅後、6〜7時間ひたすら練習に時間を割いている
  • TOYOTA GAZOO Racing GT Cupに参加した林 龍之介選手

グランツーリスモで活躍する林 龍之介にインタビュー

「GTワールドシリーズ ネイションズカップ 2024」で、日本人プレーヤーの宮園拓真選手が優勝したことは記憶に新しいでしょう。しかしながら、宮園選手をはじめとするトップ選手を将来的に脅かす存在になるであろう若手選手も着実に育っています。そのひとりが厳しい国内予選を制し、「TOYOTA GAZOO Racing GT Cup」に参加した林 龍之介選手(18歳)です。林選手は「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2024 SAGA」のU-18部門での優勝も果たしました。一体この強さはどこから生まれるのか、林選手に話を聞きました。

アジア予選を見事トップ通過! 本戦出場を果たす

まずは『グランツーリスモ7』のワールドシリーズについて説明しよう。『グランツーリスモ7』は3つの世界大会を主催している。その1つは国や地域を代表して戦う「ネイションズカップ」、2つめは各自動車メーカーの代表選手として戦う「マニュファクチャラーズカップ」、そして3つめが、今回林 龍之介選手が参加したトヨタ車で順位を競う「TOYOTA GAZOO Racing GT Cup」である。

TOYOTA GAZOO Racing GT Cupの予選は2024年4月のラウンド1にはじまり、8月のラウンド7までの5カ月間でトヨタ車を中心とするさまざまなモデル、サーキットで戦い、上位3ラウンドで獲得した合計ポイントの順位でワールドシリーズへの切符を手にすることができる。林選手はわずか4つの出場枠でアジア予選を見事トップ通過し、本戦出場を果たす。アジアの代表4名が全員日本人だったことも、日本のレベルの高さと競争の激しさを物語るものであろう。

小学生の頃にスーパーGTを観戦してからクルマ好きに

林選手がグランツーリスモと出会ったのは、小学生の頃までさかのぼる。父親に連れて行ってもらったスーパーGTを観戦してクルマが好きになり、自分でもクルマを運転してみたくなったという。そこで、たまたま自宅にプレイステーションとコントローラーがあったことからグランツーリスモを最初は遊びとして始めるものの、その世界中のあらゆるクルマを運転できる魅力にどっぷりハマってしまう。

林選手が中学1年生の頃に国体の競技にeスポーツが加わり、グランツーリスモもその種目のひとつだと知ったことも本格的に「競技者」を目指すきっかけなる。そして、その年の国体の東京都予選でわずか12歳ながらも5位に入る快挙を達成し、未来を担う有望選手として注目されはじめるのである。

現在、高校生3年生である林選手の1日はストイックなまでに練習に費やされ、学校から帰宅後、6〜7時間はひたすら練習に時間を割いている。グランツーリスモの良いところは、自分の成長を可視化できる点だという。今ではどのスポーツもビデオを使って自分の動きを確認し、改善点を見つけてひたすら反復練習で壁を克服するようになった。グランツーリスモも同様にタイムや走行ラインなどをすぐに確認できるので、日々の成長を実感できるのだ。上手くなればなるほど楽しさも増し、さらに練習に打ち込むというポジティブなループが生み出される。

スポーツの常識を更新するeスポーツ

また、オンラインで地域を越えた仲間と対戦することでさらに力がついた。仲間と技術的な情報交換などをすることで、お互いに切磋琢磨する。今では自身のコミュニティを立ち上げてともに技術を磨きたいという選手が集まるが、TOYOTA GAZOO Racing GT Cupの最終決戦であるアムステルダム大会に選ばれた石野弘貴選手もそんな仲間のひとりである。

「楽しくやっていたら自然に上手くなった」

と語る姿もじつに自然で、いわゆるひと昔前のスポーツの持つ根性論という概念は林選手には存在しない。オリンピックでスケボー選手たちがそうであったように、eスポーツは「楽しく」遊ぶことの延長線上に「技の追求」や「研究」があり、仲間とのコミュニケーションによって自分を高めていく、そんな新しいスタイルのスポーツだと感じる。勝っても負けても相手選手に敬意を払い、喜び合う姿も共通する。

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