ラグナセカのラップタイムはマクラーレンP1のわずか0.2秒落ち
リアに搭載されるエンジンの強化も徹底している。実際にそのチューニングを担当したのはオレゴン州シャーウッドのロススポーツ・ロード・アンド・レースで、排気量は4Lにアップされ、さらに鍛造内部部品やレース仕様の機器が数多く搭載されている。
その中には2ステージのMoTecエンジン・マネージメント、シリンダーごとに独立したスロットルボディ、996シリーズのGT3に基本を見出したインテークプレナムに基づくカスタムインテーク設計などが含まれる。結果、最高出力は435psを得るに至り、最大トルクは423Nmを得ることに成功した。
組み合わされるトランスミッションは、ゲトラグ製の6速MT。こちらも内部構造をさらに強化したほか、フライホイールの軽量化やクラッチを997型911の第2世代GT3 RSから受け継ぐなど、その強化策には驚かざるを得ない。
このようなギュンター ヴェルクスの努力の成果は、2020年ラグナセカのウェザーテック・レースウェイで、1分30秒99というラップタイムを記録したことで、見事に証明されることになった。これはマクラーレン P1のラップタイムから、わずかに0.2秒落ちというもの。
今回オークションに出品されたカレラは、「レンシュポルト・アヴェンチューラ」とネーミングされた1台。保管されている製造シートによると、その製造費用は77万8888ドル(邦貨換算約1億2150万円)に達したという。2022年のクエイル・モータースポーツ・ギャザリングにも展示された、まさにギュンター ヴェルクスを象徴するこのモデルの走行距離は、RMサザビーズによれば納車時と同じ、とのこと。もちろん新しいオーナーは、即座に運転を楽しむことができるのは当然である。




















































