物理スイッチのかわりに賢い音声認識で安全に操作できる
夜明け前の峠に向かいながら、
「ハロー・アイダ、ちょっと暖かくして」
と言えば、
「問題ありません。すぐ右フロントが暖かくなります」
という返事とともに、運転席の設定温度をプラス1℃してくれる。
「助手席の温度を25℃にしたい」といったリクエストもOKだし、ボリューム調整もまた同様。このような音声操作はドイツのプレミアムブランドのクルマでもすでに体験済みではあるが、ついに大衆ブランドのVWでも実装するようになったか、と感慨ひとしおだ。
物理スイッチがあるに越したことはないものの、前方や周囲から視線を外すことなく基本操作をできるIDAの音声認識によって、ストレスなく安全にドライブが実現しているわけだ。何でもかんでもタッチ操作という風潮に抵抗のあったアナログ派の筆者も、音声認識AIの進化による恩恵は否応にも認めざるをえないのだった。
近くのコンビニやガススタもすぐにサーチしてくれる
また、「ハロー・アイダ、近くのコンビニ」「ハロー・アイダ、近くのガソリンスタンド」と話しかければ、すぐに候補をリストアップしてくれるので、行きたいスポットを選択すればそのままナビゲーションに移行する。「近くのサウナ」「近くの温泉」でも対応してくれた。
実際のドライブシーンでも、運転中にガソリンスタンドやコンビニを探したいことは頻繁に生じるシチュエーション。1人で移動しているときにも簡単に音声操作できるのはありがたいところだ。
ただし、IDAは現状、「静岡県庁に行きたい」「東京タワーに行きたい」といった風に、目的の施設名を指定しても、「都道府県名から言ってください」とつれない返事で、目的地によっては都道府県、市町村、地名、番地までを言わないとダメだったりする……。プログラムのアップデートに期待しつつ、現状はそんな場合、安全に停車した状態でタッチパネルから入力した方が早いのだった。
同乗者がいるシチュエーションであれば、MIB4はスマホとのミラーリング機能も備わっているので、Apple CarPlayやAndroid Autoと連携してナビをしてもらう選択肢もあるので安心してほしい。
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ゴルフ8.5のパワートレインはフェイスリフト前と同じまま。ディーゼルのTDIでは360Nmもの太いトルクが低回転域から立ち上がるため、ワインディングでも望外にスポーティな走りが可能だ。ドライビングプロファイル機能でステアリングやペダルのレスポンスを「スポーツ」に設定しておくのがオススメだ。
手応えの確かなハンドリングと優れた直進安定性。質実剛健なゴルフの走りをいつもより満喫できたのは、最新インフォテイメントMIB4とAIアシスタントIDAによるストレス軽減が大きく貢献してくれたのは間違いなさそうだ。
specifications
■VOLKSWAGEN GOLF VARIANT TDI R-Line
フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント TDI Rライン
・車両価格(消費税込):485万6000円
・全長:4640mm
・全幅:1790mm
・全高:1485mm
・ホイールベース:2670mm
・車両重量:1510kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:1968cc
・エンジン配置:フロント
・駆動方式:FF
・変速機:7速DSG
・最高出力:110kW(150ps)/3000-4200rpm
・最大トルク:360Nm/1600-2750rpm
・燃料タンク容量:51L
・公称燃費(WLTC):20.1km/L
・サスペンション:(前)マクファーソンストラット、(後)4リンク
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前&後)225/40R18


































































































